令和3年度 受賞者所感

岩手県・保健師 日向安子(ひむかい やすこ)軽米町役場

 このたびは、栄誉ある母子保健奨励賞を賜り、身に余る光栄に存じます。今回の受賞につきましては、仲間の保健師、栄養士、福祉担当職員をはじめ、幼児教室の先生方等関係機関の皆様、これまで町の母子保健活動を築き引き継いでくださった諸先輩方に感謝申し上げます。本町の母子保健活動全体が評価いただき、皆さんでいただいた栄誉と受け止めております。先輩保健師の方々が、事あるごとに話していた「すべての事業の基本は『母子保健』から」との言葉を実感できたのは、児童虐待対応や自殺対策に携わるようになった就職して20年以上たったころからでした。生涯にわたる心身の健やかな健康のために「母子保健」が基本であることを実感できたことで、私もやっと先輩方と同じ感覚がつかめたことをうれしく思いました。

 母子保健事業を行う中で、その時々で必要なことを仲間や関係機関の方々と相談しながら実践してきました。その一つが5歳児教室です。子どもの個々の特性を親御さんや保育士、教育機関と共有し、安心できる就学を目指します。療育支援が必要な子どもを支援につなぐチャンスの場でもあります。事業の課題は年々変化し、いまの課題はフォロー体制の整備です。町に常設の療育教室の場を設けることが望ましいと考えます。どの子もいまを楽しめて、ひいては将来、生きづらさを感じることなく生活できるようになってほしいと願います。

 「健康かるまい21プラン」で目指す、こころもからだも丈夫に育つ子どもが大勢いる町となるよう、安心して子育てのできる環境づくりを、多くの関係機関の方々と連携しながらさらに推進してまいります。

 また、先輩方から教えていただいた「人づくりは母子保健から始まっている。地域づくりは人で成り立っている」、このことを、これからの保健活動を担う若い仲間たちに、共に実践を通して伝えていきたいと思います。