令和3年度 受賞者所感

埼玉県・助産師 水澤幸枝(みずさわ ゆきえ)和光市統合型地域包括支援センター

 このたびは、母子保健奨励賞を賜り、身に余る光栄に存じます。これもひとえにご指導いただきました関係機関の皆様、諸先輩方および職場の皆様のご支援の賜物と深く感謝を申し上げます。

 わこう版ネウボラ事業の立ち上げから関わり、現在は「和光市統合型地域包括支援センター」にて、複合的課題を抱えるケースを他分野の専門職とチームで支援をしています。「統合型地域包括支援センター」は、高齢・障害・子育て・生活困窮者を対象とした4つの相談支援拠点の一元化を目的として設立された市のプロジェクトです。

 助産師は、母子に特化した専門職でありますが、他分野の知識・経験が非常に乏しいです。チームで支援することは、ケースにとって、有益であると考えております。特に、複合的課題のあるケースは、世帯全体を視野に入れて支援していくため、チームで対応することが重要です。以前は、一人でケースに対応することが多く、常にプレッシャーを感じておりました。他分野の専門職が関わることで、多角的な見方ができること、役割分担ができることは、「一人で背負わなくていいんだ」と、安心感につながっております。

 今後は、ツール開発・アセスメント能力の一定化、オンラインを取り入れた育児支援、多世代交流の広場づくりを目標として、取り組んでまいります。私がここで得た知識や経験を伝えていくことは、新たな分野へ助産師の活躍の場が広がることと考えております。

 子育ては、自立が目標です。私は、指導的立場ではなく、常に伴走者としての寄り添いを心掛けております。今後も、地域における母子支援活動に尽力してまいりたいと思います。