令和3年度 受賞者所感

石川県・保健師 大鷲陽子(おおわし ようこ)能登町役場

 このたびは栄誉ある母子保健奨励賞を賜り、身に余る光栄に存じます。今回の受賞につきましては、今日までご指導いただきました諸先輩方をはじめ、母子保健活動に携わる関係機関や地域の皆様、職場の皆様の温かいご支援とご指導の賜と深く感謝申し上げます。また、この受賞は能登町の母子保健活動を評価していただいたものとして、共に活動してきた皆様の栄誉と受け止めております。

 能登町は石川県の能登半島北部に位置する人口約1万6千人の、山、川、海の豊かな自然環境に恵まれた町であり、祭り文化や継承行事などを通して地域のつながりが強い地域です。しかし、近年は少子化や過疎化が進み、地域で暮らす母子の交流が思うようにいかない部分があります。また、全国的な産科医不足は能登にも影響があり、安心して出産できる環境が脅かされつつあります。そういった中、能登で限られた資源を活用し、子育て応援ヘルパーや産後ケア事業の実施、子育て世代包括支援センター「すくすく」の立ち上げと、切れ目のない支援、顔の見える支援に取り組んできました。

 現在は、新型コロナウイルス感染症の影響により、町が実施する母子保健事業全般において事業内容の変更を余儀なくされています。このような状況下でも一人ひとりが安心して子育てできるよう、親子が孤立することなく必要な支援を受けられるよう、地域の子育て支援関係者と連携を図りながら、当事者同士の交流が図られるように試行錯誤しております。

 今回の受賞を励みに、今後も顔が見えるつながりを地域の強みとして、コロナ禍でも母子が孤立しないよう、さまざまな職種や関係機関の方々と連携を深め、誰もが安心して子育てできる地域づくりに力を尽くしてまいりたいと思います。