令和3年度 受賞者所感

大分県・保健師 工藤美紀(くどう みき)竹田市役所

 このたびは栄誉ある母子保健奨励賞を賜り、身に余る光栄に存じます。これもひとえに諸先輩方をはじめ、関係機関、関係団体の皆様、地域の皆様、職場の皆様など多くの方々のご支援の賜と心より感謝申し上げます。また、この受賞は竹田市の母子保健活動を評価していただいたものとして、保健師をはじめ母子保健に携わった関係者全員の栄誉と受け止めております。

 保健師活動を始めた当初から、地域住民が互いに支えあい健康づくりができることを目指してきました。特に、母親の仲間づくりを推進するため子育てサークルの発足・育成に力を入れた結果、就学後の母親クラブが発足し母親同士のつながりが強まり、学童保育を立ち上げるまでに発展していきました。

 平成17年の市町合併後、保健推進員と愛育班活動を一本化した竹田市独自の愛育保健推進員活動を、健康づくり活動の中心として支援してきました。平成20年度から、少子高齢化・核家族化が進む久住地域で、どこの家の子?誰の家のおじいちゃん?と互いに顔を知らないという声があり、世代間交流のイベント「雪っこカーニバルin久住」を、愛育保健推進員や民生児童委員、老人クラブ、保育所、学校など各団体と協働で開催し、それぞれの持つ力を伝えあう場を目指しています。幼少期に参加した児童が中学生となりボランティアとして参加するなど、子どもたちの育ちや世代間のつながりが図られています。現在はコロナ禍で集うことができていませんが、地域での声かけ活動数は増加しており愛育班活動が根付いていると実感しています。

 現在子育てに対する意識は多様化し、課題は複雑化しています。今後もハイリスク者への支援はもちろん、地域での見守りや支え合う仕組みの充実、関係機関等との連携強化を図りながら、地域力を生かした包括的な子育て支援に努め、安心して産み・生まれ・子どもが健やかに育つ竹田の実現を目指していきたいと思います。