令和3年度 受賞者所感

静岡市・助産師 斉藤麻友佳(さいとう まゆか)ぶどうの木助産院

 このたびは栄誉ある母子保健奨励賞を賜り身に余る光栄に存じます。今回の受賞は、NPO法人place of peace(以下、 pop)の仲間と、活動を評価しご支援くださった大学の先生方、NPO法人子育て家庭リソースセンターの皆様、活動の機会を提供してくださった静岡県、静岡市の関係機関の皆様、静岡県立大学母性看護学助産学領域の先生方、私たちの活動に関わってくださったお母さんお父さん、お子さんご家族への栄誉と受け止めています。また、病院勤務時代の諸先輩方、助産師会の先輩方のご指導と助産師仲間の励ましに、心より感謝申し上げます。

 私は、病院勤務時代、地域の親子の孤立を予防し前向きに子育てをする親を増やすことができるのではないかと考え、popの仲間と共に、育児支援プログラムであるノーバディズ・パーフェクト(以下、N P)の普及活動を始めました。プログラムを通して、多くの子育て中の親御さんに出会い、子育ての大変さだけでなくやりがいや喜びを共有することができました。

 活動を続ける中で、母親のメンタルヘルスの向上には、家族機能の強化が重要であり、夫からの情緒的サポートや良好な夫婦関係が関連することが分かってきました。現在は、福島県立医科大学との共同事業として、産前から両親が参加できる講座開催に関係機関のご支援をいただき、継続開催しています。

 今後も、NPの理念である「完璧な親は誰一人としていない。私たちは周りの人の力を借りて親になってゆけば良いのだ」をもとに、子育てをする親が肩の力を抜いて親同士や支援者とつながる場が持てるよう、活動を続けてまいりたいと思います。

 助産師としては、一人の女性に妊娠期から出産、子育てまで伴走する切れ目のない支援を出張型助産所で実践するとともに、継続ケアの効果の周知と地域の助産師の活用を促進するため、助産師の仲間と共に積極的に活動を続けてまいります。