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病気・予防接種

Q. 生後7か月の低体重児。頭囲が大きく、けいれんがあることが気がかりです。 (2012.8)

  • (妊娠週数・月齢)7か月

1,560gで産まれた低体重児ですが、現在7か月になりました。毎月フォローを受けていますが、生後5か月頃からからだの割に頭囲が大きいと指摘されて経過観察を受けています。頭囲が大きめだと、どんな心配があるのでしょうか。また、同じころから寝入りばなに頭部と手がけいれんするようになったことも気がかりです。けいれんが起きるのは週に2、3回、1日に1度ぐらいで、こちらも経過観察となっています。これらは関連性があるのでしょうか?何か病気などが隠れている心配はありますか。

回答者: 多田裕先生

 まず赤ちゃんの発育について述べますと、通常、赤ちゃんは妊娠40週、出生体重約3,000gで生まれてきます。しかし、さまざまな理由から妊娠期間に相当する体重にならないまま生まれてくる赤ちゃんもいて、こうした赤ちゃんをSGA児またはSFD児(在胎不当軽量児)と呼んでいます。一方、妊娠期間に相当する程度の体重には達しているものの、早産だったために出生体重が少ないこともあり、そういう赤ちゃんをAGA児またはAFD児(在胎相当体重児)と呼んでいます。

 胎児期に何らかの理由で栄養不足に陥ると発育に影響が及びますが、最初に影響が出るのは体重で、もっとも影響を受けにくいのが頭囲です。脳の発達を最優先させるために少ない栄養を脳にまわすためだと考えられています。そのため、SGA児は身長や体重に比べて頭囲が大きく、頭でっかちに見えることがよくあります。

 さて、ご相談の赤ちゃんですが、在胎期間が書かれていないのではっきりしたことは言えませんが、前述した理由で、生まれたときから身長・体重に比べて頭囲が大きく、そのことが改めて生後5か月頃に気づかれ、クローズアップされるようになった可能性もあります。その一方で、生後5か月頃から急激に頭囲が大きくなったということも考えられます。

 まずは出生時からの頭囲の推移を母子健康手帳にある「乳幼児身体発育曲線」に記入し、それが発育曲線の帯と並行に伸びているかどうかを確認してみましょう。帯の中に入っていて帯に並行に伸びている場合は、あまり心配いらないと考えていいでしょう。しかし、ある時期から曲線を大きく外れて急激に伸びたり、曲線の中でも上の方に変化している場合には詳しい検査が必要です。

 頭囲が急激に大きくなるとき、最初に可能性が疑われるのは水頭症です。水頭症とは頭蓋内の髄液の流れが損なわれ脳室が拡大することで起こります。先天性、あるいは出生前後に発症することが多い病気ですが、ある時期に脳内で出血が起こり、それが原因で発症することもあります。乳児期の頭囲の異常な増加は、顕著な症状のひとつです。

 水頭症が進行すると脳が圧迫されて委縮し、発達に悪影響を及ぼします。そのことを防ぐため、脳内に溜まりすぎた髄液を減らして脳への圧迫を取り除く治療が必要です。原因や程度によって治療法は異なりますが、多くの場合に外科的治療が必要で、代表的なものが脳室と腹部をつなぐ管(カテーテル)を皮下に通して髄液を腹部に流す「シャント手術」です。これはそれほど難しい手術ではありませんし、安全性も確かめられた治療法で、必要だと判断された場合は積極的に受けることをおすすめします。水頭症の他にも脳腫瘍や頭蓋内出血で頭囲が拡大するそこともあるので、頭囲が急激に拡大する時には原因の検査が必要です。

 もうひとつ気がかりなのが「けいれん」です。赤ちゃんは病的なけいれんでなくてもよく手をピクピクと動かしたり、寝入りばなにビクッと大きく手足を震わせることがあり、ご相談の赤ちゃんの「けいれん」がほんとうにけいれんなのか、また、けいれんだとすれば原因は何か、頭囲の増加と関係があるのかなど、詳しい診察と検査が必要でしょう。けいれんは脳に傷があったり、異常な脳波が発生することで起こり、放置すると発達などへの二次的な影響が出る懸念があります。しかし、脳波検査などで原因が特定されれば服薬治療によってけいれんを抑えることも可能で、発達への悪影響を減らすことが期待できます。

 毎月フォローを受けている主治医の先生とよく相談し、病気が疑われる場合には早期に専門の病院を紹介してもらい、詳しい検査を受けることをおすすめします。

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