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発育・発達

Q. 5歳8か月。療育センターで読み書き障害と診断されました。 (2012.9)

  • (妊娠週数・月齢)5歳

5歳8か月の男の子です。数字は読めるのにひらがなが読めません。文字も書けませんが、最近なんとか名字のみ書けるようになりました。か行の滑舌も気になり療育センターで検査したところ、「読み書き障害」と診断されました。私自身が現状を受け入れ、今してあげられることをしてあげなければと思うのですが、将来への不安でいっぱいです。小学校入学までにしてあげられることはありますか?また、入学後はみんなが当たり前にできるのに自分だけできないということが増えて、劣等感をもつようになると思います。そんなとき、親としてどう対応してあげればいいでしょうか。

回答者: 汐見稔幸先生

 ご相談の内容を見る限りでは、おそらくLDといわれる障害がある可能性があります。LDというのはLearning Disabilitiesの頭文字で日本では「学習障害」と訳されています。一般的な知的、情緒的な障害はないのに文字の読みや書き、あるは簡単な計算がなかなかできない症状をもった障害のことをいいます。

 この障害は、脳の中で情報を処理するいずれかの過程で通常の情報処理をしないで別の処理をしてしまうためと説明されていますが、簡単にいえば情報処理の一部の障害です。ですから人によっていろいろな現れ方があるのですが、最近では、学習障害というと大げさで否定的なイメージが強いので、もっと限定して識字あるいは読字障害、「ディスレクシア」と呼ぶことが多くなっています。アメリカでは全体の1割程度の人間が広義のディスレクシアだと言う人もいるくらい、最近は目立つようになりました。

 たしかに学習上は困難がありますが、何らかの工夫をしてある程度乗り越え、大学まで進学している人もたくさんいます。有名なトム・クルーズという俳優も自分はディスレクシアだと告白しましたし、日本にも俳優でそういう人がいます。黒柳徹子さんは簡単な計算もできない障害であると自ら述べています。

 ご相談のケースでも、ようやく自分の名字が書けるようになったとあるように、努力次第である程度克服は可能です。ただ、それよりも、たとえばテキストをコンピュータに読み込ませ、それをコンピュータに発話させるなどの方法で、読み取りは苦手だが聞く場合はわかるというケースではかなり克服することができます。

 もう少し詳しく知りたい場合は日本LD学会のホームページを見てください。この学会が母体となって「特別支援教育士(LD・ADHD)」という資格をもつ人を養成する協会もあります。本もいくつか出ています。たとえば サリー・シェイウィッツ著『読み書き障害〈ディスレクシア〉のすべて 頭はいいのに、本が読めない』(PHP研究所)などは参考になると思います。そのようにして、お子さんの場合はどうすればある程度克服できそうか、目途を探してみてください。

 ご両親の熱意と科学的な対応が共鳴すれば、必ずある程度の克服は可能です。ただ、学校の先生はまだこの障害について知らないことがありますので、校長や担任には親ごさんが知り得たことをていねいに伝えて、共同歩調で育ててください。

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