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発育・発達

Q. 早産で未熟児だった10か月の子。発育・発達が遅く、ミルクの飲む量もムラがあります。 (2012.10)

  • (妊娠週数・月齢)10か月

生後10か月の子です。予定日より1か月早く産まれ、出生体重は1,800g代の未熟児でした。現在の体重は6,800gほどですが、からだの発育や運動発達でとても気になることがあります。ひとつは、生後10か月になってもはいはいをせず、おすわりも両手をついたままで、手を離した状態でのおすわりをしません。ふたつ目は栄養のことです。いま2回食で離乳食をあげているのですが、食べてくれません。ミルクも飲みにムラがあり、少ないときは500ml、多いときでも700〜800mlです。栄養が足りていないのではないか、足りないせいで脳に障害がおよぶのではないかと心配です。

回答者: 多田裕先生

 乳児期の身体発育は男女の性別や在胎期間、出生体重、また第1子かどうかなどさまざまな要素に影響されます。たとえば、第1子は第2子以降の赤ちゃんに比べてやや小さく生まれるのが一般的ですし、性別によっても身長・体重の伸びは異なります。ご相談の赤ちゃんはこうした詳しい事情がわからないので、一般的な身体発育の評価について説明します。

 まず、身長・体重・頭囲に大きな影響を与えるのが在胎期間と出生体重です。ご相談の赤ちゃんは1か月早く生まれ、出生体重が1,800g代の未熟児だったとのこと。このような場合は、乳児期には「修正月齢」といって本来の予定日に生まれたものとして発育を評価します。

 たとえば、生後10か月になっても修正月齢では9か月なので、身長・体重・頭囲の発育は生後9か月の値を基準に考えます。また、胎内では母親の胎盤から直接栄養をもらえますが、出生後は自力で哺乳しなければならないので、早産児は乳児期には修正月齢よりもやや低い値となるのが一般的です。

 また、当然のことながら、もともと体格の小さい赤ちゃんもいます。

 こうしたことを念頭に、現在の体重を母子健康手帳に掲載されている「乳児身体発育曲線」に照らしてみましょう。修正月齢9か月とすると、体重6,800gは男の子では帯の下線のやや下、女の子なら下線ギリギリに位置しています。

 発育曲線の帯は各月齢の94% (100人のうち3番目から97番目目まで)の子どもの値を示したものですが、乳児期の発育は個人差が大きく、この帯から多少外れていても必ずしも発育に問題があるということではありません。

 むしろ大事なのはその子なりに伸びているかどうかです。出生時から現在までの身長・体重・頭囲の変化をグラフに書き入れてみてください。1か月早く生まれたのですから、枠の外に実際の出生時の値を書き入れ、このグラフの「出生時」とある点を分娩予定日として数値の変化をプロットしていきます。それがおおよそこの帯に沿って増えていれば、小さいながらも順調に発育していると考えてよいでしょう。しかし、そのカーブが帯から次第に大きく外れていく場合には、主治医の先生に相談してください。

 運動発達についても同様に考えます。身体発育曲線に「はいはい」や「ひとりすわり」の目安となる時期が矢印で示されています。ここに修正月齢9か月をあてはめてみると、ご相談の赤ちゃんは確かに少し遅めではありますが、この矢印は約半数の子ができるようになる月から約9割の子ができるようになるまでの期間を示したもので、つまり10人に1人が達成できていない時期でもあります。早産で生まれた子がこの時期に達成できていなくても不思議ではありません。ただ、発育や発達の評価はさまざまな要素を総合的に判断することが重要なので、主治医の先生に経過観察を続けてもらいながら専門家といっしょに赤ちゃんの成長を見守ってください。

 離乳食やミルクの飲みなど栄養面についても「もう10か月なのに」とあまり急がず、ゆっくり進めていくのがいいでしょう。6,800gとは生後4〜5か月の標準体重でもありますから、まだ食べるのがあまり上手でなくても無理からぬことでもあります。また、ミルクの哺乳量は離乳食を食べていない時期で、体重1kgあたり150ccが一応の目安です。これが100cc/1kgを大幅に下回ると心配がありますが、離乳食も少しずつ食べながら700cc前後は飲めているということなら、あまり心配ないでしょう。脳に障害が及ぶのは栄養摂取量が極端に少ない場合なので、懸念はまずありません。

 いずれにしても、小さく生まれた赤ちゃんの発育・発達は小児科医に経過観察をしてもらうことが大事です。そして、家庭では「この子なりの成長を見守ろう」という思いでゆったりと日常生活を送ることが良い結果につながるものと考えます。

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