病気・予防接種
Q. 眉間の右下に約1cmの赤あざがあります。対応を教えてください。 (2013.6)
- (妊娠週数・月齢)1か月
生まれたときから顔に縦1.5cm、横1cmほどの赤あざがあります。触った感じは平坦で違和感はありませんが、形ははっきりしています。場所は、眉間から少し下の右に少しずれたあたりです。出産した病院では「正中母斑」だと記録されているようです。正中母斑は「サーモンパッチ」とも呼ばれるとインターネットで知りましたが、サーモンパッチは形がはっきりしないとか薄い赤だと書いてあります。その点では当てはまらないように感じます。形のはっきりした濃いめのサーモンパッチというのもあるのでしょうか? また、成長するにつれて大きくなったり目立つようになる可能性もあるのでしょうか。何らかの治療が必要になる場合など、これからの対応の仕方について教えてください。
回答者: 多田裕先生
一般に、乳幼児にみられるあざには主に次のようなものがあります。
1.イチゴ状血管腫:皮膚の表面がポツポツとして盛り上がり、生後間もないときは白っぽかったり、赤い点状だったものが次第に赤くなって盛り上がり、生後数か月から1歳頃までの間にもっとも大きくなります。5歳くらいまでに約半数が、10歳時には9割近くが自然消失しているとされますが、皮膚の表面に多少ブヨブヨとし瘢痕(はんこん)が残ることがあるようです。
2.単純性血管腫:ブドウ酒のような赤紫色をしていることからポートワイン母斑(血管腫)とも呼ばれ、出生時からみられます。境界がはっきりしており盛り上がりはありません。原則として自然消失することはありません。眼にかかっている場合には眼科を受診する必要があります。
3.サーモンパッチ(正中母斑):出生直後から額の中央や、上まぶた、鼻のあたりにみられる淡紅色のあざです。境界が不明瞭な場合が多く、毛細血管が拡張していることで生ずる一過性のものであり、大部分は成長するにつれて消失します。大きくなることはありませんが入浴など顔が赤くなるときには目立つようになります。
いずれも健康上のリスクがあるケースは少なく、自然消失する場合も多いことから、以前は積極的な治療を行わないことがほとんどでした。しかし最近はレーザーによる治療法が進歩し、また美容上の理由から、早期に治療を開始する方も増えてきました。
ご相談には赤ちゃんの月齢が書かれていませんが、出産した病院の医師が判断したようにサーモンパッチであれば1歳半ころまでに消失することが多いので、しばらく様子を見ていてよいでしょう。ただ、ご質問からはポートワイン血管腫の可能性も考えておられるように思われます。ポートワイン血管腫の場合は自然の消退はないので早期に治療を受けるのもよいと思います。
いずれにしても、一度、皮膚科のある大きな病院で相談してみると安心でしょう(その際、小児の症例を多く扱う病院だとさらに安心かもしれません)。そこで専門の医師の診察を受けて、治療の必要性、治療開始の時期、治療の効果などについて相談なさるとよいと思います。