性格・親のかかわり・育て方

Q. 2歳9か月の息子の育児に、限界を感じています。 (2026.9)

(妊娠週数・月齢)2歳

2歳半を過ぎてから息子の自己主張が強くなり、「育てにくい」と感じるようになりました。保育園から帰る際は、靴を履くまでに廊下を走り回る、送迎スペースまでの道で遊んでしまう、駐車場では手を振りほどいて走ろうとするなど、毎日連れて帰るのが大変です。先日は駐車場で動いている車があるのに走り出したため、叫びながら必死に追いかけ、ギャン泣きで抵抗する息子を押さえつけて無理やりチャイルドシートに乗せました。「危ないからダメ」「車にひかれたら死んじゃうんだよ」と言い聞かせているうちに、この子はいつか本当に事故に遭うのではないか、どうしたら守れるのかと考え、悲しさと情けなさとで涙が出てきました。
これまで何度も「車が通る場所は危ない」「必ず手をつなぐ」と言い聞かせてきました。ですが、その場では「うん」と真剣に聞いているようでも、数日でまた元通りです。
現在私は第2子を妊娠中ですが、抱っこと言われれば抱っこをし、危ないことでなければできるだけ付き合うようにしてきました。それでも今回の妊娠中はずっと体調が悪く、息子だけに向き合ってあげられる残りわずかな時間を大切にしたいと思うものの、夕方にこのようなことになると疲れ果ててしまいます。
先日インターネット上で、「保育所からスムーズに帰れない子は母親との関係に満足できていない」と書かれているのを見つけてショックを受けました。息子がこうなったのは自分の子育てが間違っていたのかと悲しいです。どうしたらいまよりほんの少しでも穏やかに過ごせるのでしょうか。

回答者: 遠藤利彦先生

 まず確実に言えることは、決して、ご自分を責めてはいけないということです。
 文面を見る限り、お母様は、イヤイヤ期とか第一次反抗期と言われる、そもそも、子どもの発達段階の中でも最も難しいと言われる時期のお子さんの行動に対して、しっかりと気配りをし、十分な対応をなさっていると思います。
 それと、何回繰り返しても、思い通りに言うことを聞いてくれないお子さんに対して否定的な感情が生じるのも、とても自然なことで、それをもって、ご自分の子育てが間違っていたなどと考えることは筋違いです。心理学では専門的な言葉で「セルフ・コンパッション」と言ったりするのですが、まずは自己批判ではなく、自分自身に思いやりを向けて、心の中で、自分のやってきたこと、やっていることに対して励ましやねぎらいの言葉をかけてあげましょう。

 その上で、アクションです。保育所の先生などに、決して恥ずかしがらずに、素直にすごく困っている、悩んでいるという気持ちを打ち明けてみましょう。

 そして、さらに、心のハードルを思い切り下げて、お住まいの地域を中心に、子育て相談の窓口を探し出し、そこに率直に、偽らざる声を寄せてみましょう。実のところ、現在、日本においては、たいがいの自治体が、子育て相談および子育て支援の体制をいろいろな形で充実させてきています。言葉だけのアドバイスだけではなく、時には、一緒に子どもに関わるなど、具体的な援助を提供してくれるところもあります。あるいはまた、親御さん同士で、同じ悩みを共有できる場を設けているところもあります。
 一度、ぜひ思い切って、そうしたところに積極的にアクセスしてみてください。心理学の研究では、自分から困っていることを自己開示できて、助けを具体的に求めていける人が、確かに最初は大変でも、結果的に子育てや親子関係により高い満足感を得られるようになることが明らかになっています。