母乳とミルク・授乳
Q. 生後3週の子。授乳間隔の数え方が知りたいです。 (2023.7)
- （妊娠週数・月齢）0か月
生後3週の子を母乳で育てています。2週間健診で計測してもらったときは１回95mLを飲んでいました。そのときのようすとしては、泣いている状態から授乳し、ゴクゴクと左15分、右5分ほど飲んでいましたが、そのあとはぐっすり寝ていました。体重増加は47g／日でした。現在、基本的におなかが減って泣いて起きるということはないので、毎回起こしてから授乳しています。おっぱいをうまくくわえられなくて泣き、それから授乳スタートという流れです。そしていつも授乳中に寝てしまうのですが、布団に置いたら起きるので、また抱き上げて授乳することを繰り返します。布団においてウトウトしてくれるまで、授乳に費やす時間は1時間弱かかることが多いです。授乳は3時間ごとだと聞いたのですが、こんなに時間をかけても、その2時間後に起こさなくてはいけないのでしょうか？ それとも飲み終わってからの3時間後でもいいのでしょうか？ 日中は起こすのに苦はないのですが、夜は授乳後から3時間だといいなと思っています。授乳間隔の「〇時間ごと」の数え方を教えてください。
回答者: 市川香織先生
赤ちゃんの授乳は「3時間ごとに」とよく言われますが、その3時間はどこからどこまでを測るのかというご質問ですね。
厳密にいえば、授乳を始めた時刻から3時間後が次の授乳のタイミングということになります。そうすると、1日24時間ですので、3時間ごとに8回の授乳を行うことになります。しかし、この3時間はきっちり守らなければいけない時間ではありません。左右授乳するのに時間がかかったり、授乳後寝かしつけるまでに時間がかかったりすると、あっという間に時間がたってしまいますよね。そんなときは、飲み終えてから3時間、すなわち4時間くらい次の授乳まであいてしまっても問題ありません。ぐっすり眠っている赤ちゃんを無理に起こしてというよりも、少し起きだしてもぞもぞし始めるタイミングくらいで授乳を始めたほうが、赤ちゃんもうまくおっぱいをくわえてくれることでしょう。
2週間健診での授乳のようすから、ゴクゴクと飲んでくれるときにはたっぷり飲みとれていて、体重の増え方も十分であり、母乳がよく出ていることもわかります。お家での授乳では、毎回起こしてから授乳し、最初におっぱいをくわえられなくて泣いているということから、赤ちゃんの飲む量よりも、作られる母乳の量の方が若干多いのかなという印象を受けます。1回の授乳で左右両方のおっぱいを必ずしも飲ませる必要はないので、場合によっては、片方の乳房だけを、赤ちゃんが離すまでしっかり与えて終わりでもよいと思います。そのとき、もう片方は張り感が残ってしまうと思いますので、お母様自身で少しだけ圧を抜く程度に搾乳して終わります。次の授乳は飲まなかった方を飲んでもらうようにします。片方だけの量でちょうどよければ、次の授乳時間までの間隔をいまよりも短く、すなわち無理に起こさなくても、ちょうどおなかがすいて起きだすくらいに調整できるのではないでしょうか。また、1回の授乳に要する時間も15分程度で切り上げることができれば、楽になるかと思います。
授乳開始時にうまくくわえられなくて泣いてしまうということもありますので、授乳の際には、乳頭と乳輪部を少しマッサージして柔らかくする、あるいは最初に少し絞って乳輪のあたりの圧を抜いてくわえやすくしてから飲んでもらうのも、赤ちゃんの吸着がうまくいくことにつながるでしょう。
また、授乳中に寝てしまい、布団に置くと起きるので、また授乳するということですが、そのとき、赤ちゃんはおっぱいを飲みたがっていますでしょうか。赤ちゃんは反射で口の近くにきたものを探したり、くわえようとしたりしますが、飲ませなくても落ち着くようでしたら、抱っこだけで眠ってもらったり、抱き上げずおなかをトントンと優しくたたいて眠りにつかせたりできるとよいと思います。
赤ちゃんが飲む1回の授乳量が減ると、赤ちゃんの胃腸にかかる負担も減りますので、空腹になったらおっぱいを求めてくれるようになります。それに合わせて、お母様の母乳の分泌量も赤ちゃんの欲しがる量にコントロールされてきます。また、夜間は昼間に比べて母乳の分泌量は多くなりますので、もしかすると4時間あるいはそれ以上あいてしまうこともあるかもしれません。赤ちゃんのおしっこの色が薄く、1日6回かそれ以上出ていれば、母乳不足ということはありません。夜間、少し授乳間隔があいてお互いよく眠った日は、日中あまり間隔があきすぎないようにしていけば、問題ないですよ。1回1回というより、1日を通したトータルの授乳と考え、お二人の身体のリズムが合ってくるとよいですね。