ママ・パパの気持ち
Q. 親の精神疾患を理由に保育園を利用しています。 (2023.12)
- （妊娠週数・月齢）1歳6か月
1歳半の娘がいます。私は双極性障害という精神疾患があるため、保護者の疾病を理由にして保育園を利用しています。私は、娘を保育園に通わせることは、私と娘が心身ともに健康に過ごすために必要不可欠なことだと思っています。体調には波がありますが、娘を保育園に通わせることで心に余裕ができて、楽しく子育てしています。ですが、無職なのに保育園を利用していることに強い罪悪感があり、悩んでいます。保育園の先生はどう思っているんだろうか、ほかの保護者に知られたらどう思われるだろうか、などと不安です。
回答者: 帆足暁子先生
あなたは、娘さんを保育園に通わせていることに罪悪感をお持ちなのですね。それは、あなたが無職だから。でも、保育園入所理由はさまざまあるのです。
たとえば、令和6年度の横浜市の保育所等の利用申請条件は、「会社や自宅を問わず、月64時間以上働いているとき」「妊娠しているとき、出産の準備や出産後の休養が必要なとき」「病気・けがや障害のため保育を必要とするとき」「病人や障害者を月64時間以上介護しているとき」「自宅や近所の火災などの災害の復旧にあたっているとき」「仕事を探しているとき（求職中）」「大学や職業訓練校などに月64時間以上通っているとき」「虐待や配偶者等からのＤＶ（家庭内暴力）のおそれがあるとき」「育児休業を終了し、仕事に復帰するとき」となっています。
この利用申請の理由でも、あなたは堂々と保育所を利用することができます。
確かに、子どもが保育所に通所していると聞くと、まずイメージするのは共働きの家庭ですね。でも、昭和23年の児童福祉法施行令で、すでに現在とほぼ同様の入所基準はありました。ただし、昭和時代から、共働きの家庭の子どもは保育所、専業主婦の家庭の子どもは幼稚園、というような社会通念がありましたから、何となく仕事に就いていないと、保育所に子どもを通わせてはいけないような気持ちになってしまいやすいと思います。
待機児童が問題とされた時代はとくにそうです。でも、現在、待機児童問題はあまり取りざたされなくなりました。令和5年4月の待機児童数は全国で2,680人（こども家庭庁）です。保育の受け皿拡大と就学前人口の減少により、5年連続で最少になっています。
これらの情報は、保育所の先生はもちろん知っています。さらに、入所理由は個人情報ですから公開されません。あなたは、保育園の先生やほかの保護者にどう思われるかという不安を感じなくて大丈夫です。
何より大切なことは、あなたが「娘を保育園に通わせることで心に余裕ができて、楽しく子育てしています」ということなのです。あなたは、とてもよい選択をされましたね。あなたが楽しく子育てをしているということは、あなたに育てられている娘さんも楽しいということなのです。子どもは母親が笑っているときが一番幸せなのだそうです。
どうぞこれからもあなたが幸せでいられるように過ごされてください。
こうしてご自分の不安を発信できるあなたです。あなたなら、大丈夫です。