性格・親のかかわり・育て方
Q. 甘えん坊の4歳の息子。対応に迷っています。 (2024.1)
- （妊娠週数・月齢）4歳
4歳の一人っ子男児のママです。息子は、ずっと私が食べさせたり、着替えをさせたりしてきて過干渉気味だったせいかとても甘えん坊です。保育園では自分でできるのに、家だと「服を着替えさせて」「ご飯を食べさせて」「ママの膝で食べたい」と言うなど、甘え方が激しいです。発表会や運動会では毎年泣いてしまい、少し繊細気味なのかなとも思います。いまは、「少しだけ自分でやってみようか？」などと声がけし、それでも「やって」とお願いされれば「じゃあ手伝うね」と言って、私がいろいろとやっています。本人が甘えてきたときは受容すべきだと思い、そうした対応をしてきましたが、もう少し無理にでも、自分でやらせた方がよいのでしょうか？
回答者: 遠藤 利彦先生
家庭を離れた保育園での生活では、一人でできることも多いようですので、取り立てて心配することはないのかと思われますが、4歳という年齢を考えると、家庭でも少しずつ、自発的に、また主体的にいろいろなことに取り組めるよう、お子さんの背中を押してあげたいものです。そのための1つとしては、お子さんが何かに好奇心を持って夢中になり、自分で少しでもやり遂げることができたときに、そのタイミングでその都度、ちゃんとそれを褒めてあげることが有効かもしれません。また、お子さんから「やって」と言われたときに、時には毅然と、「ここまでは手伝ってあげるけど、あとは自分でやってね」とお子さんに一貫して伝えていくことも重要かもしれません。
現在、世界的に幼児教育の領域では、これからの未来をたくましく生き抜いていかなければならない子どもたちが、身につけておくべき最も大切な心の力の一つとして、「エージェンシー」、つまりは、自分の頭で主体的に考えて良い悪いを判断し、自分で目標を設定して、現にアクションを起こそうとする力に注目が集まっています。もっとも、それを養うためには、何か特別な教育が必要なわけではなく、むしろ、親御さんのお子さんに対する日常のちょっとした働きかけや言葉かけの工夫こそが大切なのです。