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1:何のための検査?

耳が聞こえるってどういうこと?

私たちが普段、物の名前を見て、形や色、感触などをイメージできるのは、物に名前があるということを知っているからです。
これは、生まれてから周りの大人がいろいろな物を指さしながら、「ワンワンね」「りんごね」と話しかけてくれることで、音と目の前に見える物とが結びつき、そして、物には名前があるということを理解するためです。
このように幼いうちに耳から音が入り、音が脳に刺激を与えることで、音と視覚とを結びつける脳の力が育っていきます。そしてその力はことばを話す能力へとつながっていきます。つまり、耳が聞こえるということは、聞こえることだけではなく、認識して話し、そしてコミュニケーションをとっていくことの大事なファーストステップとなっているのです。

早期に検査することが大事

難聴は目に見えないため気づかれにくく、2歳を過ぎてからの「ことばの遅れ」によってようやく発見され、支援開始が3歳以降になることがしばしばありました。
しかし支援開始が3歳以降となると、その後の言語習得にかなりの努力が必要になってしまいます。脳がさまざまな能力を吸収可能なできるだけ早い時期に、脳に音の刺激を与え、眠っている脳の聴覚システムを働かせてあげる必要があるのです。その「できるだけ早い時期」の目安は生後6か月とされています。
実際にアメリカの調査によると、生後6か月までに補聴器を装用し始めた子どもは、3歳の時点で健常児の約90%の言語力があったのに対し、1歳以降に開始した子どもは3歳の時点で7~8割の言語力だったという結果が報告されました。
万一耳の聞こえに問題が見つかった場合も、生後6か月までに補聴器をつけて適切な対応を開始することによって、その後の言語能力やコミュニケーション能力に問題が生じる可能性は少なくなり、子どもの将来に大きな可能性がもたらされます。そのためにも、生後すぐに聴覚スクリーニング検査をすることは大変重要なのです。


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