2:どんな検査をするの?
検査方法について
生まれてすぐの赤ちゃんは言葉を話せないため、耳の聞こえはコンピュータにでる反応によって調べます。現在使われている方法は以下の二つがあります。
- ・自動ABR(自動聴性脳幹反応):
- 音を赤ちゃんに聞かせ、脳からの電気的反応を調べるもの
- ・OAE(耳音響放射):
- 耳から音を入れると、内耳から反射音がでるという現象を利用して調べるもの
どちらの検査方法も痛みはなく、数分程度で簡単に終わります。子どもが眠っている安静時に検査をする必要があるため、生後すぐの入院中におこなうのが効率的です。
「要再検(リファー)」になったらどうすればいい?
スクリーニング検査は多くの赤ちゃんを効率的に検査するために開発された簡易検査で、これによって何かしらの最終判断が出るものではありません。むしろ、スクリーニング検査でとりこぼしがあるといけないため、耳に羊水が残っていたり、耳垢がつまっている場合なども、「要再検」となるしくみになっています。実際、「要再検」といわれた赤ちゃんのうち、半数以上は精密検査の結果「正常」となっています。
ただ万一耳の聞こえに問題がある場合は、生後6か月までに脳へ音の刺激を届けることが最善の対応となるため、「要再検」となった場合は直ちに専門医のいる大きな病院で精密検査を受けるようにしてください。
精密検査って何をするの?
スクリーニング検査のときと同様に、脳の音に対する電気的反応を調べるABRを中心におこないますが、精密検査では専門医が精度の高い装置を使って検査をするため、実際に耳の聞こえに問題があるのか、それとも聴覚の発達が未熟なために十分な反応が出ていないかを判断することができます。またこの他にも、起きている赤ちゃんにさまざまな音を聞かせ、びっくりする、振り向くなどの反応を調べる行動反応聴力検査など、いくつかの検査を通じて聞こえの状態を総合的に判断をします。
検査の結果、「発達が未熟なために十分な反応が出ていない」と分かった場合は、成長とともに聞こえが改善するか専門医のもとでの経過観察が必要となります。