3:Q&A
家族や親戚に聞こえの悪い人はいません。検査を受けなくてもよいですか?
難聴の赤ちゃんは1,000人に1~2人の割合で見つかります。その約半数は家族や親戚に聞こえの悪い人がいたり、未熟児などリスクのある赤ちゃんです。一方、残りの半数は、原因を特定できない赤ちゃんですので、生まれたすべての赤ちゃんが生後1か月くらいまでに検査を受けることが望ましいです。
検査をして、障がいがあった場合ショックを受けてしまいそうで不安です。
万一赤ちゃんに難聴があることに気づいた場合は、適切な対応をすることで、その後の言語能力やコミュニケーション能力に大きな支障をきたさずに済みます。もしもの場合に最善の対応ができ、子どもの将来にとって大きなメリットがある検査ですので、ぜひ受けるようにしてください。
聴覚スクリーニングは安全ですか?
スクリーニング検査は、数分程度で終わる簡単なものです。痛みはもちろん、身体への負担もありません。
■ 自動ABR(自動聴性脳幹反応)のようす
検査の費用はどれくらいかかりますか?
スクリーニング検査は医療保険の適応となっていません。自費診療になりますので費用について詳しくは医療機関でお尋ねください。日本産婦人科医会の調査によると、検査の自己負担は2,500~6,000円でした(注)。
(注) 平成25年全出生児聴覚スクリーニング検査実施のための現状調査(日本産婦人科医会)
入院先では検査を実施していないと言われましたが、どうすればよいですか?
主治医の先生に地域の基幹病院など、スクリーニング検査を行っている病院を紹介してもらい、退院後1か月健診までの早い時期に検査を受けるようにしてください。また、お住まいの地区の保健センターにお問い合わせていただいてもよいかと思います。
「片側要再検」と言われました。
「片側要再検」の場合も、専門医療機関を受診してください。受診は急ぐ必要はありません。もし精密検査の結果、「一側性難聴」と診断されても、もう一方の耳は聞こえているため、言葉やコミュニケーション上の問題はありませんが、この場合聞こえている耳の聴力を守るために、定期的な診察や専門家の指導が必要となります。
「要再検(リファー)」とは、障がいがあるということですか?
「要再検(リファー)」=「難聴である」とは限りません。あくまでもスクリーニング検査ですので、要再検の場合は必ず精密検査を受けるようにしてください。両側要再検の場合は、生後1か月までに受診するようにします。スクリーニング検査を受診した赤ちゃん1,000人のうち9人が要再検になります*。
*平成25年全出生児聴覚スクリーニング検査実施のための現状調査(日本産婦人科医会)
「要再検(リファー)」の場合は何度も検査しなければいけませんか?
出生医療機関のスクリーニング検査で「要再検」となった場合は、入院期間中に日を変えて再検査をします。それでも再び「要再検」となったときは、専門医療機関での精密検査が必要となります。専門医療機関での精密検査の内容や回数は赤ちゃんの状況に応じて変わってきますが、聴覚に異常がある可能性もありますので、はっきりとした診断結果が出るまで受けましょう。