Part1 年齢ごとの特徴を知って、対応しよう!
2歳代
ことばで自分の要求を表すことができるころ

個人差はありますが2歳前後になると二語発話を話して語彙も増え、自分の要求を表現できるようになります。しかし、「会話」ができるようになったわけではなく、自分の気持ちや要求を表せるようになっただけ。まだ、他人の心を推し量ることはできません。自分が思うことと人が思うことは違うとか、自分の好きなものと人が好きなものは違うなどということはわからない。実は、その区別ができるようになるのは4歳後半ころなんですね。
指示や拘束されることがイヤ
とくに二語発話を話し始めるころ、「~しない」「イヤ」などの否定語で自分の気持ちを表します。これはそのことがイヤというより、大人に指示されたり拘束されることがイヤだという場合が多い。それで、何を言っても、どう尋ねても「イヤッ!」となるのです(笑)。それをことば通りに受け取ると、「じゃあ、どうするのっ? !」と問いつめてトラブルになりがちです。
「イヤ」がどういう意味かを見極めて、がっぷりと四つに組んで争わないことが大事でしょう。このとき、前述したように生活に一定のリズムがあり、見通しの立つ行動が身についていると、親子バトルをせずに済むことも多いと思います。
やりたい気持ちが出てくるころ
もうひとつ、2歳代の特徴は「できないのにやりたがる」こと。たとえば、お菓子の袋をママが開けると「自分で開けたかった」と怒る、お手伝いをしたがるけれどうまくいかず、結局全部親がやり直すハメになる(笑)。
親にすれば「どうせ無理だからダメ」と言いたいところですが、やはり、子どもの「やりたい」気持ちは大切にしたいと思います。「イヤ」への対応と同様に、“子どもの思いは受け止める、しかし振り回されない”という対応が求められます。
2歳代では、自分がこうしたいということと、自分ができることとのギャップがわからないのが特徴です。親は「わかった、自分でやりたいのね」と言いながら、子どもが「できた!」という達成感を味わえるよう、子どもが気づかないような手助けとしてさりげなくサポートする。そんな対応を工夫しましょう。
ことばの裏に隠れている心を読み取って
2歳児に限らず幼児期の子ども、ときには学童期にも通じることですが、子どもとのコミュニケーションで大事なのはことばに含まれた子どもの心を読むことです。とくに2歳児への対応では、ほんとうは何を伝えたいのかと考えることがポイントです。たとえば、ママの姿が見えなくて不安だった、でも見つかった。そのとき子どもが「ママなんかキライッ!!」と言うのは「ああ、会えてよかった」という意味だし、「○○しようね」と言うことに「イヤッ」と答えるのは「指示されたくない」という意思表示だったりするわけです。
親は子どもが何を伝えようとしているのかと考え、“まずはその思いを受け止める。しかし、やるべきことはやろうね”という気持ちで上手に誘ったり、側面からサポートするような対応が必要です。