Part2 おなかの赤ちゃんは何してるのかな?
11.妊娠中のタバコとお酒
~ふつうの生活でいいけれど、タバコとお酒はNGです~
おなかの赤ちゃんにとっては、お母さんのおなかのなかが世界のすべてです。赤ちゃんの世界を、お母さんの行動が形づくっているといってよいでしょう。お母さんの食べるものが赤ちゃんを育てるだけでなく、お母さんの体調や精神状態による、いろいろなホルモンのバランスが、赤ちゃんにも影響していると思います。
しかし、人類の歴史がはじまって以来何万年も、種は滅びずに繁栄してきました。私たちの社会から考えれば、想像できないほどの過酷な環境でも、ヒトは滅びずに赤ちゃんは生まれて育ってきたのですから、神経質になりすぎる必要はないともいえます。ごくふつうの生活を、規則正しく送ることが、お母さんの精神的な安定にもつながり、結果としておなかの赤ちゃんにも快適な環境になるのではないでしょうか。
もちろん、明らかにおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼすようなことは、しないほうがよいのはいうまでもありません。なかでも喫煙とアルコールの摂取は、おなかの赤ちゃんにも同じようにタバコを吸わせ、お酒を飲ませているのだと認識する必要があります。
お母さんの喫煙は、赤ちゃんの発育が悪くなり、流産や早産の発生率が高くなるのは間違いありません。周産期死亡や前期破水のリスクが高くなるともいわれています。また飲酒も、お母さんが大量に飲むと、胎児アルコール症候群といって、脳の発育が悪くなるなどの影響がでることがわかっています。