Part2 赤ちゃんの発育発達と親子あそび
8か月頃の赤ちゃん
~赤ちゃんからの「お願いサイン」が出てきます~
おすわりで、自分のからだを保てるようになると、これまで見えなかったものが見えてきて、赤ちゃんの好奇心はさらに広がります。でも、すぐに欲しいものに手が届くわけではありません。
そこで赤ちゃんは、これまで手に入れた能力を駆使して、まわりの大人にはたらきかけるという「作戦」に出ます。
「ほしいものに手を伸ばす」+「自分の要求をかなえてくれそうな人を見る」+「声を出してその人を呼ぶ」。これで、「ママ、あのおもちゃ、とって」という意思を、きちんとお母さんに伝えるのです。
こんなときの赤ちゃんの「お願いサイン」には、ぜひ率先して答えてあげてください。自分の要求が相手に伝わったという達成感が、さらなるコミュニケーションの意欲を育てます。
自分からメッセージを発信できるようになってきた赤ちゃんは、大人からのメッセージも受け取ることができるようになってきます。もちろん、難しいことばは分かりません。でも、「おいで~」とか「おいしいね~」とか「ちょうだい」とか、これまでの生活のなかで、繰り返し聞いてきたことばは、分かるようになっています。
大きなジェスチャー(いつもだいたい同じような動き)と豊かな表情で、赤ちゃんにことばをかけてみてください。「あ、ことばが通じてる!」という感じを、赤ちゃんから受け取れることが増えてきます。

穴にポトン
両手が自由になった赤ちゃんの多くが熱中するあそびが、ものをひっぱり出すことと、ものを穴に落として入れることです。
空き箱などに穴をあけたものを用意して、そこに積み木などをポトンと落として入れてあそびましょう。手に持っていたものが、穴のなかに消えていく感覚や、落ちたときの音は、赤ちゃんにとっては不思議で楽しいもの。
また、同じように穴をあけた空き箱のなかに、端同士を結んで何枚もつなげたハンカチをつめておき、それを赤ちゃんに引っぱり出させるのも楽しいあそびです。