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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠5か月。生ハムのパスタを食べてしまい、トキソプラズマ感染症が心配です。 (2014.1)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠5か月 (16〜19週)

妊娠5か月です。トキソプラズマについて質問します。生ハムが危ないとは知らず、夫がお店で注文したパスタを食べてしまいました。生ハムは食べませんでしたが、生ハムがのっていたパスタを食べました。あとで友人から指摘を受けて心配になりました。担当医に相談しましたが、「そんなに心配するなら最初から食べるな」と怒られてしまいました。生ハムにはトキソプラズマの感染のリスクがあるということをあとで知りましたが、どのくらい危険があるのでしょうか。初期の検抗体査では陰性でした。また、今後、出産までに食生活でほかに気をつける点などがあれば知りたいと思います。

回答者: 太田百合子先生

 妊娠中は非妊娠時より免疫力が低下するので、感染症には十分な予防が必要です。また、感染症は胎児にも影響があることから注意を呼びかけています。たとえば、インフルエンザやはしかなどの感染症を予防するように、食事からもトキソプラズマなどの感染症を防ぐことが大切なのです。

 ご質問の生ハム入りのパスタについて、実際にどの程度の感染リスクがあったかをここでお答えするのは難しいのですが、ご心配なら、きちんとした検査を受けることが安心につながると思います。

 トキソプラズマの感染に関しては、推計で妊婦中の感染は全国で年間約500人程度、母子感染はそのうちの3割、障害児として生まれているのは10人程度といわれています。出生時に異常が見られなくても、成長とともに視力障害があることがわかったという報告もあります。

 トキソプラズマの予防のために、生肉(ユッケ、レバ刺し、生ハム、ミディアムレアステーキ、ローストビーフ等)は食べません。生魚の扱いに慣れていない諸外国では、生魚は食べないようにしましょう。念のために妊娠中は日本でも控えます。

 これらのものを食べないことに加えて、トキソプラズマは肉眼では見えない寄生虫ですから、感染した猫のフンに触れることや土いじりをすることでも感染することがあります。

 食中毒を予防するためにも衛生面には気をつけましょう。手をよく洗うこと、まな板や包丁はこまめに消毒をすること、生野菜はよく洗うことなどを習慣にします。

 トキソプラズマ以外に気をつけることとして、リステリア菌の感染症にも注意喚起がされています。リステリア菌は、食品を介して感染する食中毒菌で、塩分にも強く、冷蔵庫でも繁殖します。肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモン、滅菌消毒をしていない乳製品(ナチュラルチーズ)は避けます。鶏肉や七面鳥などにもリステリア菌が見られることがありますが、基本はしっかりと中まで加熱することです。