赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー友だち・遊び・テレビ

友だち・遊び・テレビ

Q. 1歳4か月。ほかの子のおもちゃを取り上げてばかりで遊べません。 (2014.1)

  • (妊娠週数・月齢)1歳4か月

1歳4か月の男の子です。人のおもちゃを取ってしまうので困っています。ある程度は仕方ないと思うのですが、目についたものはほかの子が使っていても取り上げてしまい、大して遊びもせずポロっと落とし、また気になる物を見つけて手に取ってポロっという繰返しです。「それが気になるのね、取らないで貸してって言うんだよ」と教えますが、わかっているのかどうかわかりません。おもちゃで一緒に遊ぼうと声をかけ、遊んで見せるのですが、興味を示しません。夫には、「家でひとつのおもちゃで遊ぶ練習をしていないのに外でできる訳がない。あれこれとおもちゃを置かないほうがいい」と言われ、おもちゃを全部しまいました。でも、ほんとうにこれが子どもの成長にとって良いことなのかと疑問も感じます。子どもの興味や好奇心を伸ばしてあげるために、どのように働きかければいいでしょうか。

回答者: 高橋惠子先生

 ほかの子どもの持っている物を欲しがったり、取ったりするのは、友だちとの交渉の初期段階にしばしば見られることです。おもちゃが欲しいのではなく、友だちへの関心が芽生えてきたのだと考えましょう。相手の持っているおもちゃを取り上げたり、遊んでいるのを見ていておもちゃがあくと後でそのおもちゃで同じ遊びをしたりもします。「貸して」「遊ぼう」と言葉を使って交渉のきっかけをつくれない段階の子どもは、おもちゃを取り上げたり、同じおもちゃを使ったりという“物”を媒介させて、つきあいを楽しんでいるのだと考えられます。幼児が自分から「遊ぼう」と声に出して友だちと遊ぶようになるのは、一般的には3歳頃からだと考えてください。

 ほかの子どものおもちゃをとるたびに「ダメよ」「悪いことよ」などとたしなめられていると、子どもは遊ぶ意欲を削がれることでしょう。親としては、これは発達の通過点だと考えて、善悪の判断はしないほうがよいでしょう。子どもは相手のおもちゃを取ってもいますが、おそらく、取り上げられてもいるでしょう。“物”を媒介にしたつきあいなのだと考えましょう。

 しかしもしも、子どもが取り上げるばかりになっているのであれば、もう少し年長の子どもと遊ばせて取られる経験もさせるとよいでしょう。そのうえ、年長の子どもは遊び方を知っていて、取ろうとすると「いやだ」と拒否したり、「後で貸すから待って」などとすぐには応じないかもしれません。こうした体験を積み重ねて、子ども仲間とのつきあいができるようになるのです。仲間が言うとそれをまねて「貸して」と言うことも学びます。ですから、危険なことが起こらない限り、子どもの世界は子どもにまかせるのがよいと考えましょう。

 調べてみますと幼児が遊びの相手としてもっとも好むのは親ではありません。きょうだい、いとこ、友だちなどの子どもが選ばれます。したがって、なるべく子ども仲間とつきあう機会をつくることが大切です。大人と子どもの遊びでは、おとながリードし、子どもは「おミソ扱い」されることになるので面白くないのです。そして、1歳を過ぎれば“ひとり遊び”もするようになります。安全だけは確保して、ひとりで遊んでいるときには放っておきましょう。子どもがおもちゃとして使うのは美しい複雑なおもちゃではなく、単純で幾通りにも変化するようなおもちゃ(たとえば、積み木)や何の変哲もない日用品(たとえば、空き箱)であったりするでしょう。このような点から、おもちゃを再検討し整理してはいかがでしょう。子どもが頻繁に遊んでいる物はどれか調べてみるとよいでしょう。