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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠23週の健診で胎児に脈絡叢のう胞があると指摘され、とても不安です。 (2014.2)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠6か月 (20〜23週)

脈絡叢のう胞について質問します。先日、妊娠23週目の健診で、医師から「脈絡叢のう胞がある」と指摘されました。大きさは言われず、経過を見ていきましょうとのことでした。 胎児の頭囲や大腿骨の長さは妊娠週数相当で、心機能・腸・腎臓などの臓器も異常なしでした。 ただ、これは染色体異常の所見でもあると言われ、とても不安です。 このままのう胞があると胎児にどんな影響がありますか? 染色体異常の可能性はあるのでしょうか? 23週のいまはわからない心疾患など他の疾患が、今後見つかる可能性もあるのでしょうか? 毎日とても不安です。

回答者: 安達知子先生

 胎児の「脈絡叢のう胞」とは、脳の脈絡叢の中に見える小さなのう胞(直径2mm以上のもの)です。胎児の超音波検査で20週前後に発見されることが多いのですが、これは脳の奇形ではありません。その頻度は0.2〜3.6%くらいで、26週頃に多くが自然消失するといわれています。

 こののう胞がある人のごく一部に染色体異常が認められます。18番目や21番目の染色体が3つある「トリソミー」という異常です。とくに、18トリソミーという染色体異常は2.4%くらいに認められる(これはつまり、97.6%は大丈夫ということです)といわれていますが、18トリソミーは通常、他の奇形、すなわち心奇形、手指の重合(重なり合い)、小脳低形成などを合併し、また、胎児の発育も抑制されて妊娠週数に比較して小さい発育状態を示します。ですから、現在の状況ではほとんど心配ないと思います。

 また、21トリソミーについては、母体の年齢による発生頻度よりも4倍くらい高くなるともいわれていますが、21トリソミーを示唆する別の所見、たとえば、大腿骨が短い、心臓、腸管や腎臓などのエコー像に異常がないと、逆にリスクの指数は低下し、これらを総合的にみますと、むしろ発生頻度は年齢相当の頻度のままか、それより低くなります。

 もちろん、超音波検査ですべての奇形が正確に診断できるわけではありませんので、のう胞の状況も含めて、今後も注意深く観察していくことが必要です。しかし、生まれてくる赤ちゃんには、染色体異常とは関係ない小さな奇形なども多く認められ、全体で50人に1人は何らかの異常を持って生まれてくるといわれています。いま現在、赤ちゃんが元気に順調に育っているのですから、ゆったりと心配せずに妊娠期間を過ごしてください。