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Q. 超低出生体重児だった10歳男児。低身長症の治療を始めますが効果は期待できる? (2014.5)

  • (妊娠週数・月齢)10か月

10歳3か月の男の子です。息子は25週5日で生まれ、出生体重672gの超低出生体重児でした。身長の伸びが心配で7年ほど前から内分泌専門医のもとで経過観察を受けてきましたが、10歳になっても122.4cmしかありません。先日、SGA性低身長症という病名を知り主治医に話したところ、夏から治療しましょうと言われました。まだ、声変わりなど思春期の傾向は見えませんが、いまから治療を開始しても間に合うのでしょうか。とても不安です。もっと早くから治療していたらと悔やまれます。今後の治療効果などについて教えてください。

回答者: 多田裕先生

 発育期にある子どもの身長が伸びない「低身長症」にはさまざまな原因があり、もっとも代表的なものが脳下垂体から成長ホルモンが十分に分泌されない場合で、「(脳)下垂体性低身長症」と呼ばれます。ほかにも、甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌異常や、成長ホルモンの分泌は正常だが体内での働きが悪い場合、染色体異常による疾患など、さまざまな原因があります。

 そのため、身長が伸びずに心配なときは2、3歳頃をひとつの目安に病院を受診し、血液検査やレントゲン検査など詳しい検査を行って原因を調べます。検査の結果、成長ホルモンの分泌が不十分だとわかれば成長ホルモンを補う治療を行いますし、甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌異常の場合にも、それに応じた治療が行われます。

 成長ホルモンは正常に分泌しているのに体内での働きが悪いために身長が伸びない場合(これがご質問にある「SGA性低身長症」です)では、以前は成長ホルモンの分泌に異常がないため治療対象とされていませんでしたが、最近になって「SGA性低身長症」にも成長ホルモン補充療法が適用されるようになりました。

 もちろん、家系的・遺伝的に身長が低い場合もあり、身長が低いこと自体が子どもの健康に悪い影響を与えるわけではなく、すべての方が治療を受けなければならないということでは決してありません。

 ただ、一般的に2、3歳頃を目安に病院を受診するよう勧められるのは、SGAや早産などで小さく生まれた赤ちゃんもその頃になると標準値の範囲内に追いつく場合が多いのですが、1割ほどのお子さんが3歳を過ぎても標準値に追いつかないため、その原因を調べて必要があれば治療を開始するからです。

 ご質問のお子さんは、ちょうど3歳頃から内分泌の専門医による経過観察を受けてきたとのことですから、ホルモンの分泌異常や先天性疾患などはないものと推察します。10歳を過ぎて成長ホルモン補充療法を選択されることで、「まだ間に合うのか」と効果に不安をお持ちなのだと思いますが、声変わりをしたり体形が男性らしくなったりする二次性徴がまだ見られないとのことですから、いまからでも効果は期待できるものと考えます。

 成人の体になってしまうと身長の伸びは止まりますが、その前の数年間は身長の伸びが良いときでもあり、その時期に成長ホルモンを補うことは身長の伸びを良くする効果が期待できるからです。希望をもって治療を受けてください。

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