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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 29歳妊婦。2回流産後の妊娠ですが、ダウン症検査について尋ねられました。 (2014.7)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠3か月 (8〜11週)

妊娠10週、29歳の初妊婦です。昨年9月、妊娠発覚と同時に出血があり、5週目で完全流産しました。その後、11月に再度妊娠し心拍確認もしたのですが8週目に再び流産してしまいました。稽留流産でした。現在、3度目の妊娠で10週目ですが、病院の医師から超音波でのダウン症検査を受けるかと問われ、戸惑っています。過去の流産経験とダウン症の子どもがうまれる確率は関係するのでしょうか。

回答者: 安達知子先生

 29歳という若さなので、過去の流産経験とダウン症候群の子どもが生まれる確率は、ご夫妻のどちらかが染色体の構造異常をもっていなければ、あまり関係はありません。お二人ともおそらく調べていらっしゃらないと思いますので、ご自身の染色体異常は「不明」ということになるでしょうが、ご自分たちの兄弟や両親に流産や死産を繰り返していらっしゃる方がいなければ、ご夫妻のどちらかが染色体異常をもっている可能性は低いと思われます。

 さて、流産は一定の確率で起こります。29歳くらいでも、妊娠した方が7〜10人いれば、そのうちの1人は流産する確率です。40歳を過ぎると40%以上、すなわち約2人に1人が流産します。原因としては、児の染色体異常が多いといわれています。両親に染色体異常がなくても、そのようなことが起こるわけです。

 一方、29歳で2回続けてたまたま流産する可能性は1〜2%ありますが、その場合3回繰り返すのは極めて低い確率です。しかし、もしかしたら、特別流産しやすい原因をもっている可能性もあります。

 不育症(2回以上流産・死産を繰り返す)では、原因不明のものがいちばん多いのですが、子宮の形態の異常(双角子宮などの子宮奇形、子宮筋腫など)、ホルモン異常、免疫系の異常なども多い原因です。

 両親のどちらかが染色体の構造異常をもっているために、児に致命的な染色体異常が一定の確率で起こる場合もありますが、これは不育症全体の5%くらいともいわれ、それほど高い確率ではありません。

 なお、胎児が染色体異常の場合99%は自然に流産します。ダウン症候群は比較的合併する奇形などが軽かったり、なかったりしますので、約95%は流産しますが、5%は生まれてきます。

 さて、今回は妊娠10週に至っていますので、前2回の初期流産とは異なっている可能性が高いです。胎児ドックは主に超音波で、胎児の顔や頭、首などの細かいところを見てダウン症候群をはじめとする染色体異常をスクリーニングするものですが、超音波上問題がないようでも確定ではありません。

 また、超音波で異常が疑われても、確定するには羊水検査が必要です。これらの意見を参考にして、検査を受けるかどうか、ご夫婦で話し合ってください。なお、万一今回の妊娠が流産となった場合は、必ず不育症の検査を受けてください。