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友だち・遊び・テレビ

Q. 2歳の女の子。自分より小さい子をひっかいたり、つねったりします。 (2014.9)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳3か月の娘が、子どもの集まる場所に行くと必ず自分より小さい子をひっかいたり、つねったりします。1歳9か月頃から始まりました。児童館ではおもちゃで遊んでいても攻撃する相手を探しています。私は一瞬たりとも目が離せず、常に近くにいます。手を出したときは「お友だちと遊びたかったんだよね。だけど、ひっかくといお友だちが痛いからダメ! 一緒に遊ぼうってお口で言おうね」と、娘に共感しつつ注意するようにしています。しかし、一向に治りません。いろいろな方に相談すると、「2歳で、まだ自分の気持ちが伝えられないからでは?」と言われますが、娘は言葉の発達も比較的早く、いやなものは「いや」「ダメ」などと言えますし、今日あったことなどを話すこともできます。気がかりな行動がいつまで続くのかと思うと、不安です。友だちと遊ばせてあげられないことを、かわいそうにも思っています。

回答者: 高橋惠子先生

 小さい子を攻撃すると相手がひるんだり、泣いたり、言いなりになったりする面白さを知ってしまい、それがくせになってしまったのだと思われます。2歳になれば、相手が困っていることがわかれば、その人を助けたりできるという心理学の実験結果もありますので、このお子さんは、自分が相手をいじめている、悪いことをしている、などとは理解していないのだと思われます。

 このようなくせの対処法としては少なくとも以下の3つが考えられます。
 第一に必要なことは、「いかなる理由があっても幼い子どもをいじめてはいけない」としっかり伝えようという、親の強い意志の確認です。その点から見ると「娘に共感しつつ注意するようにしています」というのでは、効果は疑問です。どのような理由があっても、幼い子どもを攻撃してはいけないと、繰り返し伝えましょう。
 しつけとは文化の伝達だといわれます。この伝達には時間がかかります。気長な努力が必要な場合もあります。しかし、決して、体罰や脅しで子どもを抑えつけたりしてはいけません。体罰や脅しには即効性があるように見えますが、子どもは叱られる恐れから一時的にその行動をやめるだけで、何がいけないことかを学びません。さらに困ったことに、体罰や脅しによるしつけをされると、他人を攻撃する方法を学んでしまいます。子どもをとりまく環境を総点検して、子どもの身近に攻撃や暴力がないかを確認してみましょう。

 第二には、「幼い子どもをいじめない」こと、「いじめたら帰る」ことを約束して遊び場に行きましょう。もしも、いじめ行動をしたらすぐにその場から連れ帰ることです。子どもが帰るのを嫌がったり、泣いたりしても、譲ってはいけません。親の決断が問われます。

 第三には、元気な強い子どもの場合には、より年長の子どもと遊ぶ機会をつくるとよいでしょう。つねったり、たたいたりできない、ときには自分をいじめたりするかもしれない年長の子どもとの交渉の体験を通して、子どもは子どもとどのようにつき合うかを学びます。いじめられないかと心配かもしれませんが、親には、子どもから離れて成り行きを見守る勇気も必要です。