家族関係・夫婦・ママ友
Q. 4歳の息子が私を叩いたり蹴ったりし、私も大声で怒ってしまうことがあります。 (2015.2)
- (妊娠週数・月齢)4歳
4歳の息子が怒りっぽいので困っています。先日も公園で「いまガムを食べるんだよ!」と怒鳴りながら私をにらみつけました。私にだけ、叩いたり蹴ったりすることもあります。たいていは、私がその場から離れると泣いてついてきて収まるのですが、私のほうが精神的にまいっています。普段は明るい子ですが、お友だちにも怒鳴ることがあります。主人の浮気が原因で、2、3回子どもの前で大喧嘩をした(寝ていたのですが起きてしまいました)ことが原因でしょうか。私がイライラして子どもに大声で怒ってしまうことも2日に1度くらいあります。キレやすい子になってしまい、これからが心配です。今後、子どもにどう接していけばいいでしょうか。
回答者: 帆足暁子先生
お子さんのこと、ご心配ですね。お子さんにどう接していけば良いか、一緒に考えましょう。
お子さんの言葉は、まるで4歳の子どもが母親であるあなたに命令し、自分に従わせようとしているかのようです。なぜ、お子さんはそうしなければならないのでしょうか。そこには必ず理由があります。その理由がわかれば自ずと接し方がわかります。
お子さんの姿は、両極端です。あなたを叩いたり蹴ったりする一方、その場からあなたが離れると泣いてついてきます。それは混乱している姿そのものです。お子さんは自分でもどうしたら良いのか、わからないのではないでしょうか。
本来、子どもは子どもとしての自分の立場がわかっています。それは、親に甘えて安心できる立場や、親に守られていて安心できる立場です。でも、両親が大喧嘩をしたり、親に大声で怒られたりし続けると、子どものこころは傷つき、安心感を失います。また、こころが傷ついた親を見ることで、親を守らなければならないという気持ちが子どもに生まれ、逆に親を支える立場に自分を置いてしまうこともあります。
一方、自我の強くなる2歳代に、親が子どもの自我の強さに負けたり、面倒になって子どもの要求に従ったりすると、子どもは自分が親より上の立場だと錯覚してしまいます。でも、実態は違いますから、親が強く出ると簡単に立場が崩れてしまいます。
これらのことが繰り返されると、子どもは混乱してしまいます。
ですから、元の状態に戻してあげればよいのです。つまり、4歳の子どもとして、親にしっかり守られているという安心感をもたせてあげることです。それには、子どもの要求に対してダメなことはダメと毅然として伝える一貫した関わりや、安心感を保証するために思い切りからだやこころを使って一緒に楽しく遊んで甘えさせること、親自身が安心感をもって安定した生活をすることが必要です。
さて、少しあなたのことも考えましょう。なぜなら、あなたご自身がまだ気持ちの整理ができていないように思うからです。
あなたにとって安心できるはずの家庭が、夫の浮気によって安心感が揺らいでしまいました。以前のように安心したいのに安心できず、その方法を探っているのに見つからず、安心できないというイライラが2日に1度くらいの「大声で怒鳴って」しまうこととなって表れているのだと思います。あなたも、お子さんと同じように混乱しているのです。
あなたはどうしたら安心できますか。何をしたら、楽しく幸せになれるでしょうか。あなたご自身が安心して楽しく幸せなことが、お子さんへの接し方のポイントのひとつです。あなたが幸せで安心感に満たされると、あなたには子どもをしっかり受け止めるゆとりができます。あなたに受け止められた子どもは安心して本来の子どもの立場に戻ることができます。子育てはこういう親子関係の循環なのだと思います。
「子どものために」とあまりがんばりすぎず、まずは、あなたがご自分を振り返って、自分の人生をどう楽しみたいかを考えてください。あなたは母親であると同時にお子さんと同じひとりの人間です。お子さんと同じくらい幸せになってほしいのです。
心配されている「お友だちに怒鳴ること」や「キレやすい」ことは、お子さんが安心感をもてれば自然に消失していくことがほとんどです。大丈夫です。「明るい子」だとちゃんとわかってあげている「あなた」の子どもですから。