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性格・親のかかわり・育て方

Q. 2歳の娘は新しい環境がとても苦手です。私との信頼関係に問題があるのでは? (2015.3)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳になったばかりの娘です。場所見知りや人見知りが非常に強く、親子教室などに参加すると、抱っこひもで抱っこしてほしいとせがみ、「がんばろうね」と諭しても床を転げ回ったりしながら泣き叫ぶので周囲の迷惑になってしまい、トンボ帰りをすることがほとんどです。よく、母親との信頼関係がしっかりしていれば子どもは安心して母親から離れて遊んだり冒険したりできる、と育児書などに書いてありますが、私と娘には信頼関係がしっかりと築かれていないのでしょうか。私は専業主婦で、ほとんどの時間を娘と過ごしています。家ではいつもニコニコし、素直でよい子でいてくれますし、スキンシップなどはかなりあると思うのですが、どうすればいいのでしょうか。アドバイスをいただければと思います。

回答者: 高橋惠子先生

 お子さんが新しい環境で不安になったときにお母さんに抱っこをせがんだり、お母さんが外出から帰ったときに笑顔を見せ喜んで寄ってくるようあれば、子どもは母親を愛着の対象としていると考えてよいでしょう。母子の信頼関係が築けているかどうかが心配なら、まず、このような場面でのお子さんの様子を観察して、自分は頼りにされているのだと自信をもちましょう。子どもの感情を母親が自信をもって受け入れることが、まず、大切です。

 文面からすると、お子さんの「場所見知り」や「人見知り」は信頼関係の欠如から来るのではなく、お子さんの“気質”のせいではないかと思われます。気質は人間がもって生まれる性質で、およそ次の3つに分けることができます。

 ①明るく活発で楽天的で、何事にも積極的な外向的な気質
 ②神経質で何事にも慎重で、新しい環境やにぎやかな場所が苦手な内向的な気質
 ③外向か内向かが明確ではない中間的なもの

 気質は生まれもつ性質ですので、父母のどちらかに似ているということになります。たとえば、母親が外向的で子どもが内向的ですと、母親には子どもの消極的な性質がはがゆく思われるでしょうが、父親は「自分と同じだな」「無理させたくないな」「そのうち慣れるよ」などと、子どもの状態が理解できるということになります。

 文面から、このお子さんは内向的気質をもっているのではないかと思われます。このタイプの子どもは、新しい環境に慣れるのに時間がかかります。新しい環境の様子をしっかり見て、自分で納得してから、慎重に行動するからです。

 このようなとき、親は「よその子はあんなに元気に遊べているのに、うちの子は……」と悔しく思ったり、心配したりするものです。しかし、これがわが子の特徴だと受け入れてください。内向的な子どもの多くは、外での遊びや集団でにぎやかに行動することは苦手ですが、静かに、時間をかけて、慎重に物事を理解し、大きな成果をあげ得るという素晴らしい長所があります。どの気質にも長所と短所がありますので、うらやましがることはありません。

 子どもが親子教室を嫌がるのであれば、無理をすることはありません。しばらくの期間は抱っこのまま見学してみるとよいでしょう。少し慣れてきたら、できるところだけ参加するなど、ゆっくり進めましょう。

 親子教室に限らず、公園、児童館、図書館など子どもが集まるところに連れていって他の子どもを見たり自然に接する機会をつくることをお勧めします。そのような場所では母子の気持ちもそれぞれ解放され、母子2人だけの関係に閉じこもることを避けることができるでしょう。