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歯とお口のケア

Q. 生後4か月。下顎が出ているよう見え、反対咬合になるのではと心配です。 (2015.3)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

生後4か月の女の子です。泣いたときやふとしたときに顎が出ている感じがし、歯ぐきを見てみたら下顎のほうが上顎より前に出ています。このまま歯が生えてきたら、反対咬合になるのではないかと心配です。いつの時点で、歯科医師などの診察を受ければいいでしょうか。また、どのような場合に治療が必要になりますか。

回答者: 井上美津子先生

 乳歯が生えて、上下の噛み合わせが落ち着くまでは、様子を見ましょう。

 生後4か月ではまだ乳歯も生えていない時期でしょうね。反対咬合は下の前歯が上の前歯を覆っている状態ですので、ある程度、乳歯が生えてきてから判断されます。でも、1歳頃の上下の前歯だけの段階では、噛み合わせの自由度が高く、いろいろな噛み方ができます。

 また、最初の奥歯(第一乳臼歯)は1歳2〜3か月頃に生え始め、1歳半頃に上下の歯が噛み合ってきますが、この頃でもまだ噛み合わせは不安定です。そこで、1歳6か月児歯科健診では、上下の噛み合わせの状態は見ますが、不正咬合の診断はまだ行いません。

 2歳を過ぎていちばん奥の第二乳臼歯が生えてきて、2歳半から3歳頃に噛み合ってくると、乳歯での噛み合わせが完成します。3歳児歯科健診では、不正咬合の診断を行うため、反対咬合もこの頃には分かります。3歳児歯科健診の時に相談してみて、必要そうでしたら一度小児歯科か矯正歯科を専門としている歯科医院を受診して相談してみるとよいでしょう。

 乳歯の反対咬合は、顎の発育次第では永久歯に生え換わる頃までに自然に治ることもあります。ただし、下の前歯の噛み込みが強くて上顎の前方への成長が抑制されそうな場合は、乳歯の時期に噛み合わせを治して(矯正治療して)おいたほうがよいこともあります。顎の成長の様子や、子どもの治療への適応などを見ながら、歯科医師とよく相談しましょう。そうして、永久歯の生え換わりまで様子を見るか、積極的に噛み合わせの治療をするかを、決めるとよいでしょう。

 歯がない頃の赤ちゃんは、下顎を前につきだして泣くことも多いようです。赤ちゃんの顎の関節(顎関節)は平坦なため、下顎の動きの自由度が高いといわれています。乳歯が生えて噛み合わせが完成するまでは、しばらく様子を見てよろしいと思います。しかし、顎の成長には遺伝的な要因の関与も高いものです。両親のどちらかが反対咬合(下顎前突)だと、子どもにも反対咬合が発現しやすく、また自然には治りにくいようです。

 もし矯正治療が必要になった場合には、むし歯予防のためにもお口のケアが必要です。日常の歯みがきや規律性のある食生活を心がけましょう。