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Q. 4歳の男の子。祖父母に横柄で傍若無人な態度で接します。 (2015.3)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳の息子の暴言、横柄な態度にどう対応すればよいのか悩んでいます。義理の両親宅の隣に住んでおり、息子はほぼ毎日遊びに行きますが、祖父母に対して威張ってばかりいる、叱ると暴言を吐く、気に入らないことがあると大声で騒いで暴れる等々、義父母は、「最近は手に負えないことが多い」と言います。私にはそこまでひどい態度はとりません。義父母から「息子は欲求不満ではないか」などと言われ、落ち込んでいます。どう対応すればいいでしょうか。

回答者: 帆足暁子先生

 そうですね。まずは、一つひとつ考えていきましょう。

 お子さんは、祖父母の前と母親であるあなたの前では態度が違うようですね。それはなぜでしょうか。あなたから見て、何か思い当たることはありませんか。祖父母と一緒のときのお子さんの「威張ってばかりいる、叱ると暴言を吐く、気に入らないことがあると大声で騒いで暴れる等々」の態度には、必ず理由があります。

 たとえば、祖父母がとてもお子さんには甘くて、ついつい言うことを聞いてしまう傾向があるとか、最初は「ダメ」と言っても、お子さんが大声を出したり暴れたりすると最終的には要求を叶えてしまう傾向があるとか、お子さんの自我が強くて、祖父母はついその主張に負けてしまう傾向があるとか。

 子どもも大人も体験によって学習していきます。ですから、お子さんは「祖父母には威張っていい」「叱られたら暴言を吐けばいい」「気に入らないことがあったら大声で騒いで暴れていい」ということを学習してしまったのです。もしかするとお子さんは、自分のほうが祖父母よりも序列が上だと錯覚してしまっているのかもしれません。

 その場合には、ちゃんと「4歳の子ども」のポジションに戻してあげればよいのです。お子さんがしたことで「困ることは困る」「ダメなことはダメ」と、きちんと一貫した穏やかで毅然とした対応をすることで、いまの混乱したお子さんの錯覚状況を修正することができます。そして、同時にこれまでの序列の錯覚が崩されることで生じる不安を解消するために、積極的に大人のほうからお子さんに働きかけて、お子さんと楽しい体験を共有することも大切なポイントです。この両方がバランスよく提供されることで、お子さんは不安な思いを抱えることなく、大人に守られる「子ども」として安心感を得ることができます。

 あるいは、祖父母が心配されている欲求不満についても、考える必要はあります。ただし、それはいわゆる「欲求不満」ということではなく、何かお子さんがイライラするものを抱えている、ということを祖父母は表現したかったのではないでしょうか。

 確かに、ストレスがあると誰でもイライラして怒りやすくなります。子どもの場合は、愛されている実感をもてない寂しさから言動が荒れて、攻撃的になることが多いように思います。お子さんはまわりの大人から愛されている実感はありますか。それとも淋しさを抱えているでしょうか。

 もし、お子さんが寂しさを抱えているとしたら、その寂しさを埋めて安心できる関わりが必要になります。それは、優しいまなざしでお子さんを見ることや、愛情のある言葉でお子さんをかわいがること、もちろん一緒に遊んで楽しさを共有することも大切です。そして、お子さんが何をまわりの大人に求めているのか、表面的なことではなく、心の底にある真実の思いをお子さんの立場で考えてみてください。お子さんを理解しようとする姿勢だけでも、お子さんに愛情を伝えることができます。ましてや、まわりの大人が積極的にお子さんに愛情を伝えていくことができれば、お子さんは愛されていることをきっと実感できると思います。

 あなたは子どもが欲求不満ではないかと言われて落ち込んでいらっしゃいますが、私は、とてもステキなお子さんだと思います。4歳で、相手に合わせて自分の言動を判断する知恵がついているということは、相手の感情に対する感受性が豊かだということですから。

 ただ、まわりの大人が嫌な思いをするような言動になっているので、いまのお子さんの表現を適切な形にして、お子さんの良さがもっとみんなに伝わりやすいようにしたいと思います。今回のことはお子さんを伸ばすチャンスなのです。

 お子さんを育てるとき、不安があったり、悩んだりしたときは、どんどん保健センターや子ども家庭支援センター等で相談されることもよいと思います。子どもは地域みんなで育んでいく宝ですから。