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性格・親のかかわり・育て方

Q. 4か月の息子が泣きやまないと暴言を吐いてしまいます。対処法を教えてください。 (2015.5)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

4か月の息子がいます。最近、抱っこしてもおっぱいを飲ませても泣くようになりました。抱っこするとのけぞったりするので降ろすと、さらに泣くのでまた抱っこ。泣きやむのに時間がかかるため、私も寝不足でイライラしてしまい、つい「うるさい!いい加減にして!」と暴言を吐いたり、体をトントンしてなだめる手に力が入ったりしてしまいます。その後、いつも死ぬほど後悔しますが、カッとなるとついしてしまうのです。何かを訴えて泣いているのはわかるのですが、私に気持ちの余裕がありません。夫は夜23時頃に帰宅し、朝は7時に出勤するので頼れません。常にイライラしているわけではありませんが、私が疲れているときや、何時間も泣きやまないときになります。暴言で、子どもにどんな影響が出ますか? また、対処法はありますか?

回答者: 帆足暁子先生

 あなたはとてもがんばっているのではないでしょうか。常にイライラしているわけではないのに、ついカッとなってしまうときがあると死ぬほど後悔してしまうのですね。そして、自分の暴言によって子どもに影響が及ぶのではないかと心配し、対処法を知りたいと思われる。それだけで、母親としては十分です。

 生後4か月。抱っこしてもおっぱいを飲ませても泣くようになったのですね。実は、赤ちゃんは生後2か月を過ぎると、人を意識して徐々にコミュニケーションできるようになっていきます。ですから、だんだんとお互いの思いを汲み取ることができて、楽しいことが増えてくる時期でもあります。

 でも、「抱っこするとのけぞったりするので降ろすと、さらに泣くのでまた抱っこ」という状況では、一緒にいてお互いが楽しい気持ちになんてなれません。お子さんもあなたも、何だかわからないけれどつらくて、楽しくなりたいのにどうすることもできないという状況を表現しているように思います。

 その状況には必ず理由があります。いまの状況が、最近始まったとするなら、何かお子さんが不安になるようなエピソードがあったのかもしれません。または、あなたご自身がつらかったり、不安になるようなエピソードがあったのかもしれません。子どもが小さければ小さいほど子どもと母親の絆はとても強く、影響を受けやすいのです。

 「何かを訴えて泣いているのはわかる」のに「私に気持ちの余裕がありません」とのこと。確かに、あなたには余裕がないのかもしれません。だから、お子さんによい対応ができないという状況が起きてきます。でも、「余裕がない」ことは、あなたの責任ではありません。

 寝不足は人にゆとりをなくさせてしまいます。これは誰でも同じです。そのときに、暴言を吐いたり、お子さんをあやす手に力が入ったりしてしまうことを、あなたは後悔していらっしゃる。そのことがとても大切です。では、どうすればゆとりをなくさないで済むでしょうか。

 また、「暴言でどんな影響が出るか」ですが、まず考えられるのは、こころの安心感が脅かされるということです。安心感が脅かされると、何とか安心しようとして抱っこを求めるのに、どんなに抱っこされてもなかなか安心することができなくなります。そうすると、その不安から何時間も泣き続けるということも起きてきます。その不安は、何か楽しいことをしたい、という意欲も起こらなくしてしまいます。

 それから、愛情のある語りかけが子どもの成長ホルモンの分泌を促すことがわかってきました。ですから、暴言によって成長ホルモンも十分には分泌されなくなる可能性もあります。このホルモンは心身の成長に影響を与えるだけではなく、生活リズムを整えたり、肯定的な気持ちになったりすることをも支えます。

 でも、何よりも、「暴言」によってあなたが自信を失い、傷つくことがいちばん心配です。

 そこで、対処法です。それは、できるだけあなたにゆとりがある状況をつくることです。「寝不足」や「何時間も泣きやまない」ことが影響していることはわかっていますね。あなたの眠る時間を確保したり、泣きやまないときには誰かと一緒にいたりして、余裕がある状態をつくることがいちばんの対処法です。

 あなたは、どういうときに「余裕がある」と感じられますか? その状況を増やしていくことがいちばんの近道です。余裕のもち方は1人ひとり違います。あなたなりの余裕のもち方をぜひ考えてみてください。

 それからもうひとつ。あなたの「良さ」にもっと注目してください。忙しい夫を頼らないということも、あなたのやさしさの表れでもあります。あなたがいることでお子さんがうれしそうにしていることがあるはずです。ご自分の良さの発見は余裕につながることが多いです。

 それから、もしも、あなたなりにやってもうまくいかなかったり、後悔する気持ちにのみこまれそうになったら、ひとりで考えずに社会的資源を活用して下さい。家庭支援センターや保健センター、育児相談のあるクリニックなどで、あなたの信頼できる子育てのパートナー(アドバイザー)を得ることは、あなたを守るセーフティネットです。きっとあなたの役に立ってくれます。