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ケガと事故防止

Q. 1歳5か月。頭を打ってCTとX線検査を受けました。放射線の影響が心配です。 (2015.6)

  • (妊娠週数・月齢)1歳5か月

1歳5か月の子どもが頭を打ち、脳神経外科でCTとレントゲン3枚を撮りました。そのとき私は気が動転していて、あとになって放射線を浴びるリスクに気づき、後悔しています。また、検査時に子どもがプロテクターをつけていなかったことも気になっています。気があせっていてよく確認せず、子どもを守りきれなかったと自分を責めています。今回の検査内容が子どもに及ぼす影響について教えていただけたらと思います。

回答者: 横田俊一郎先生

 放射線被ばくについての質問は非常に多いもので、この相談室でも何回か回答されていますし、日常の外来でもよく尋ねられるものです。結論から言えば、通常の検査で浴びる放射線は、人体に重大な影響を与えることはありません。

 私の以前の回答(2009.4)※1でも書きましたが、私たちは日常の生活でも自然界の放射線を浴びています。その量は地域によっても異なりますが、1年間に浴びる放射線の量は平均しても胸部レントゲン10枚以上に相当するとされています。多いところでは30枚以上にも相当するといわれますし、ジェット機が飛行する高度では放射線の強さは地上の100倍近くになることもわかっています。このように私たちは日常生活のなかでも放射線を浴びており、通常の検査で浴びる放射線が人体に影響を及ぼすことはないと考えてよいのです。

 また、睾丸や卵巣は放射線の影響を受けやすいのでプロテクターで守ることは確かに大切ですが、目標とする部位から離れると放射線の量は極端に少なくなりますので、今回のことだけで大きな影響があるとは考えられません。

 大阪大学医学部附属病院放射線部のホームページ上の「放射線被ばくについて」※2に詳しい説明がありますので参考にしてください。

※1 http://www.mcfh.or.jp/netsoudan/article.php?id=650
※2 http://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-radio/info.html