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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 子癇発作とHELLP症候群の既往がありますが、第2子妊娠を希望しています。 (2015.8)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠2か月 (4〜7週)

第2子妊娠を希望していますが、第1子出産時に子癇発作とHELLP(ヘルプ)症候群になり、緊急帝王切開で出産しました。第1子妊娠中、定期健診ではとくに問題を指摘されていませんでした。次回の出産でも同じようなことが起こる可能性があるのではないかと気がかりです。また、出産する場合にはやはり帝王切開になるのでしょうか? 第2子妊娠に際しての注意点とともに教えていただけたらと思います。

回答者: 安達知子先生

 たいへんな出産を経験されたのですね。年齢や体重、前回の妊娠時の情報(分娩週数、体重増加、たんぱく尿の有無、子癇発作直前の血圧の状況、妊婦健診時の血圧が高めに推移していた可能性の有無、出生児体重)などが不十分なので、一般論でお話しします。

 子癇発作は妊娠高血圧症候群に合併するもので、血圧の異常上昇の末に意識を失い、てんかんのようなけいれん発作が起こるのですが、母体の生命だけでなく、母体が低酸素状態となって胎児も危険な状態になります。子癇発作を起こす前に、頭痛や、眼がチカチカする、吐き気がするなどの症状が通常起こります。

 HELLP症候群は、H:溶血(赤血球が壊れること)、EL:肝機能障害、LP:血小板数低下の3つの徴候が出現するたいへん危険な状況で、これも妊娠高血圧症候群と関係する疾患です。HELLP症候群はときに、妊娠高血圧症候群は発症していないこともありますが、胎児の発育不全などとも関係することがあります。

 ですから、この2つを考えあわせて、次回妊娠では妊娠高血圧症候群を予防することがもっとも重要です。次回も同様なことを繰り返す可能性もあります。前回は子癇発作を起こす直前には高血圧の診断はなくとも、血圧が高めになっていたのではありませんか?
 妊娠高血圧症候群は高齢妊娠や肥満、妊娠中の体重増加が過剰であることのほか、もともと血圧が高め、ないしは高血圧であることがリスク因子です。今回の出産のあと、血圧は正常化していますか? 尿たんぱくは陰性になっていますか? 

 なお、妊娠前に体重は適正体重に近づけること、妊娠中は適度の運動を心がけること、低カロリー、高たんぱく質、塩分は控えめにするなどの食事療法が必要です。さらに、前回妊娠高血圧症候群を発症されていたのならば、低用量アスピリン療法が薦められ、次回の妊婦健診も周産期センターで受けること、通常よりも健診間隔を詰めて、慎重に対応してもらうことが必要です。前回が帝王切開ですので、次回も帝王切開と考えてください。