赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー性格・親のかかわり・育て方

性格・親のかかわり・育て方

Q. もうすぐ2歳の息子の自己主張が強くなり、対応に悩んでいます。 (2015.8)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

間もなく2歳になる男の子です。最近、息子の自我が強く悩んでいます。家にいれば「お外にいきたい」「テレビをつけろ」などとキャーキャー騒ぎ、外に行けば自分の行きたい方向に行くばかりで誘いも説得も聞かず、行けないとなると泣き叫びます。スーパーでも同じです。「言葉が遅くいくつかの単語しか話せないからかな」「日中保育園に行っていて寂しいのかな」などと考え、息子の気持ちを考えて言葉をかけてみたり、仕事が終わってからは家事を後回しにして一緒に遊んだりしましたが、変わりません。そもそも1歳後半の子どもはこんな感じでしょうか? 最近では息子に振り回されすぎて子育てに自信がなく、また同じ時期に出産した友人の2人目ラッシュが重なったこともあり、周囲の友だちを羨ましく思うこともあります。

回答者: 高橋惠子先生

 人間のもっとも大事な性質はそれぞれの人が自己をもつことです。自分の意志をしっかりもって、自己主張することは人間の重要な能力です。他人の言いなりになったり、自分の意見がしっかり言えないほうが心配です。ですから、子どもが「いや」と言い始めたら、「よかった、発達は順調だ」「これでこの子はしっかり成長していける」と喜んでください。子どもが「いや」と言えるようになったのは、親の養育がうまくいっている証です。したがって、子どもが自己主張できるようになったのはすばらしいことだと喜びましょう。

 よく観察すると人間の赤ちゃんは生まれてすぐから、泣いたり笑ったりして自分の好き嫌いや希望を表現しています。そして、子どもの自己は発達を続け、2歳くらいになると自己がいっそう明確になっていきます。言葉や運動の能力も発達しますので、それを使って自己主張を強くするようになります。したがって、親は子どもの自己主張に振り回されるのではなく、しっかり向き合わなければなりません。

 まず大切なことは、何を許し、何は許さないかについて、親がしっかりした養育の方針をもつことです。どういう人になってほしいのかを考えて方針を決めましょう。たとえば、「いつ外で遊ぶか」「どのテレビ番組を見せるか」「スーパーではどのように行動してほしいか」などについて考えてみましょう。そして、子どもが自己主張をしているのですから、親も子どもにどうしてほしいかについて、しっかり自己主張をして伝えることが大切です。

 この時期は、自己主張をどのようにすれば相手にうまく理解してもらえるかを知ること、そして、自己主張は全部を認めてもらえるわけではないこと、を教える好機です。2歳ではまだ子どもの話し言葉は十分ではありませんが、親が言葉を補えば子どもの言い分は理解できるはずです。つまり、親子の“対話”を通して、互いの自己主張を調整するのです。

 よく聞いてみると子どもの主張はもっともだと思うことも多いはずです。子どもなりにいろいろ考えているものだと感心することもあるでしょう。一方的に親が子どもの主張を抑えつけてはいけません。もしも子どもの希望が認められないものであれば、なぜダメなのか言葉で繰り返し説明し、理解させる努力をしましょう。そして、たとえ子どもが泣いて騒いでも、ダメなことは許さないという強い姿勢が親には必要です。事の善悪をしっかり伝える時機です。