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性格・親のかかわり・育て方

Q. 4歳の長男が、親とのゲームで勝ちたがり、負けを認めません。 (2015.9)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

保育園年少の4歳半の長男について相談します。半年前に妹が生まれ、私自身も短時間で専門職に復帰しています。息子は負けず嫌いなのか、負けを認めません。じゃんけん、トランプ、クイズなどで一緒に遊んでいても、親が勝つと泣きじゃくり、本やゲームを投げ、遊びになりません。いつも親が子どもに勝たせるようにしかけているわけですが、これを続けていていいものでしょうか? 負けるという経験をさせたほうがよいのではないかとも思え、対応に困っています。

回答者: 高橋惠子先生

 お子さんがおかれている現在の状況を考えてみましょう。親の愛情を分かち合わなければならない妹というライバルが登場し、親の関心は自分よりも赤ちゃんに向きがちでしょう。そのうえ、母親は職場復帰し不在がちになってしまいました。4歳児ですから状況の変化は理解できていたとしても、気持ちでは十分には受け入れられていないのではと、子どもの立場に立って考えてみてはどうでしょう。

 親からすれば、「よく言って聞かせたから」「もう、お兄ちゃんなのだから」「4歳なのだから」と“いいわけ”はできるでしょうが、おそらく、子どもの心は状況の急激な変化についていけないのだと思います。

 保育園に行っているのですから、ゲームやクイズで友だちに負けることは幾度も体験しているはずです。ゲームにいつも勝つわけでないことは知っているでしょう。ですから、親とのゲームで勝たせてと望むのは、“負けず嫌い”なのではなく「自分にやさしくして」「甘えさせて」という気持ちの表現だと考えてみてはどうでしょう。

 ライバルに親をとられ、産休中に家に居た母親も急に不在がちになった、それなのに、自分はわがままを言わずに保育園にも通ってがんばっている、それで十分ではないかと、子どもの心が訴えているのだと思います。「甘えさせて、ほっとさせて」とは言わずに、どう表現したらよいかわからずに、ゲームやクイズをするという親とのかかわりのなかで、「自分をやさしく扱って」と訴えていると見てみてください。お子さんの必死さを受け止めてみましょう。

 もしも、「ゲームとはそのようなものではない」と許せないのであれば、ゲーム以外の親子の交流をしてはどうでしょう。赤ちゃんが寝ている時間には、“長子だけのお母さん”になることが有効です。膝に乗せて保育園の話を聞いたり、一緒に本を読んでみたり、ときには長子とだけ遊びに出たりしてみてください。こうして、親の自分への愛情が変わっていないことがわかれば、子どもは安心し、落ち着くことでしょう。

 お母さんは子どもが2人になり、仕事にも復帰され緊張の日々を送っておいででしょう。少し肩の力を抜いて、子どもは何を考えているのだろう、何を感じているのかしらと、自分とは異なる人格をもっている子どもの声を聞いてみましょう。きっと、新しい、楽しい子どもの発見があるはずです。親子間の緊張を和らげることを考えてみてください。