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歯とお口のケア

Q. 1歳6か月。乳幼児健診で下の歯が欠損していることを指摘されました。 (2015.10)

  • (妊娠週数・月齢)1歳6か月

1歳6か月の女の子です。乳幼児健診で下の歯が1本足りないことを指摘されました。右の2番が欠損しており、前歯の横にいびつな形の犬歯があります。永久歯も欠損するのか、また歯並びにも影響するのかなど、今後どのような影響が出てくるのか、とても気がかりです。何歳頃を目安に、どんな治療や対応が必要になるのかなどについて教えてください。

回答者: 井上美津子先生

 結論を先にお伝えしますと、永久歯への交換が近づいたら、エックス線写真を撮影して、その部位の永久歯の発育状態や乳歯の歯根吸収の状態をチェックしてもらう必要があるでしょう。

 歯の先天欠如は、永久歯に比べて乳歯では発現率は低めですが、それでも0.2〜2.5%くらいに見られると報告されています(永久歯は3〜10%)。乳歯では上下の乳側切歯(2番目の前歯)が欠如しやすく、また乳歯が先天欠如ですと、その後に生える永久歯(後継永久歯)も欠如することが多くなります。ただ、欠如部の隣の乳犬歯の形がいびつということですので、もしかしたらその歯が癒合歯(2本分が1本にくっついた歯)かもしれません。癒合歯の場合は、後継永久歯が欠如するかしないかは五分五分です。

 永久歯が欠如すると、歯列に空隙ができたり、下顎の歯列が少し小さめになって咬み合わせが深くなったりすることがあります。ただ、もともと歯が大きめだったり、あごが小さめだったりした場合には3本の前歯でちょうどいいこともあります。

 あごの骨の中で発育している永久歯の数や発育状態は、エックス線写真を撮らないとわかりません。乳歯から永久歯への生え換わりのために、乳歯の歯根が吸収され始めるのが4歳頃です。できればそれまでにかかりつけの歯科を見つけておくといいでしょう。

 4歳頃になったら、歯科医院でエックス線写真を撮影してもらい、永久歯の数と乳歯の歯根の状態を確認してもらいましょう。また、生え換わりに際して何か処置が必要になるかどうかなども相談しておきましょう。乳歯の歯根吸収がうまくいかない場合は、乳歯を抜歯しなければならないこともあります。

 定期的に(3〜6か月に1度くらい)永久歯の生え方や歯ならび、咬み合わせの状態を診てもらって、小学校の中学年から高学年くらいになったら、矯正治療などが必要かどうかを判断してもらうとよいでしょう。

 そうしたことのために、かかりつけの歯科医院を見つけておくと安心です。