家族関係・夫婦・ママ友
Q. 義父母が1歳9か月の娘に、私や両親について悪く言うことに悩んでいます。 (2015.10)
- (妊娠週数・月齢)1歳7か月
1歳9か月になる女の子の母です。義父母の言動に悩んでいます。娘は生後4か月頃から人見知りが始まりましたが、その頃から義父母の家に連れていくと「ママなんか嫌いよね〜」と娘に言うようになりました。いまは言葉のわかるようになった娘に、「ママよりパパよね〜」とか「ママじゃなくてパパのとこに行きな」などと言います。私は、自分が何か言われるのはもうあきらめていますし、気持ちをわかってもらうつもりもありません。ただ、娘に対して私や私の両親が娘を嫌っているなどとありもしないことを言われ、娘がそれを信じてしまうことが不安です。私には、母親としてできる限りの愛情を注いでいくことしかできません。娘はわかってくれるでしょうか。
回答者: 帆足暁子先生
娘さんが義父母の言葉を信じないで、あなたの思いをわかってくれるかというご質問ですね。
もちろん、娘さんは、あなたの母親としての愛情がちゃんとわかります。なぜなら、子どもは母親がいちばん好きですし、母親とつながっていたいと強く思うからです。ですから、母親から発せられる愛情にとても敏感です。これは、その子どもを生んだ母親としかつくることのできない特別な絆です。妊娠期間を通して実際に母親とつながっていたのです。ほかの人がどんなにそれを邪魔しようとしてもできません。安心してください。
でも、生まれてからその絆を太くしていかれるか、細くなってしまうかということは、たぶん、あなたの生き方にかかってきます。
義父母の家で、あなたはよくがんばっていますね。あなたご自身が義父母に「何か言われるのはもうあきらめているし、わかってもらうつもりもない」と思っていらっしゃる。この状況のなかで、それはとても大切なことです。
あなたが毅然として義父母の前にいることで、娘さんは義父母からのメッセージだけではなく、あなたからの一貫して揺らがないメッセージ……つまり、「あなた方(義父母)が言うことは大したことではない」というメッセージも受け取ります。その2つのメッセージの間で、娘さんは、あなたの思いを基盤にしながらも、義父母のパワーが強ければ従うことはあるかもしれませんが、困りながら合わせているだけに過ぎません。
あるいは、もしもあなたが義父母の言葉に傷つけられて自分が崩れないようにするだけで精いっぱいだとしても、娘さんはあなたからの「つらい、悲しい」というメッセージを受け取ります。子どもは、母親を悲しませるような人間を好きにはなりません。
ただ、わかっておいてほしいことがあります。
子どもは、年齢が小さくて状況がよくわからなければ、義父母に甘えようとすることもあるということです。孫であるあなたの娘さんをかわいいと思う気持ちを義父母がもっていれば、その思いも感じ取ります。そして、何か好きなものを食べさせてくれたり買ってくれたりすると、それは子どもにとってうれしいことなので、その場はとても喜ぶことがあります。
でも、そのことと、あなたをいちばん好きで、あなたとの特別な絆があることとは別物だということです。その場合には、堂々と「娘にありがとうございます」と言うのも良いでしょう。
あなたが、自宅で娘さんと向き合っているとき、義父母宅でのことを思い出してつらくて、娘さんにその怒りをぶつけることがあれば、娘さんとの関係は複雑なものになっていくでしょう。それは、その後もずっと娘さんの人生に影響していきます。娘さんがあなたの怒りごと、あなたのつらさを受け止めてしまうからです。特別な絆をもつ母親であるあなたにそういう思いをさせてしまう自分を、娘さんは許せないでしょう。その怒りは自分自身に向かってしまいます。
ですから、あなたは、義父母への怒りとしっかり切り離して、娘さんに愛情を注ぎましょう。これが、あなたの生き方による、ということです。
最後に、いちばん心配なのは、あなたご自身のことです。義父母宅に行かなければならない状況にあるのだと思いますし、そのときにあなたが夫から守られているという情報もありません。あなたはひとりの尊い人間として、どの人からも傷つけられていいことはありません。あなたはどうやってご自分を守っていますか。あなたを守ってくれる、あなたの味方はいますか。このことは、あなただけのことではありません。あなたをモデルとして育つ、あなたの娘さんのためでもあります。
あなたの助けになりたいと思っている人が必ずいます。友人、地元の子育て機関等、連絡してみてください。