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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠20週の働く妊婦。右下腹部に痛みがあり医師に自宅安静を指示されました。 (2016.3)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠6か月 (20〜23週)

妊娠20週の初妊婦です。仕事をしており、事務仕事ではありますが、荷物の片付けをしたり、立ったり座ったりを繰り返すような仕事です。数日前に右下腹部から背中にかけての痛みを感じました。安静にしていたら痛みはなくなりましたが、その夜、寝る前におなかが少しの間カチカチに硬くなり、翌朝起きたときにまた右下腹部と背中が痛くなりました。念のためにと産婦人科を受診したところ、子宮頸管が2.7cmで1週間の自宅安静になりました。ウテメリンを服用中です。1週間後にまた来てくださいと言われていますが、この状況をどのように考えればいいでしょうか。実は、2週間後に結婚式を控えています。このままよくならなければ大きい病院で診てもらうことになるかもしれないとも言われました。これから予想される経過や注意しなければならないことなどについて教えてください。

回答者: 安達知子先生

 妊娠中の胎児は子宮体部(子宮の上2/3の部分)の中で成長し、この大きくなる子宮体部を支える部分が「子宮頸管」と呼ばれる部分です。頸管長は妊娠20週では4cmくらいあるのが普通ですが、最低でも3.5cmないと心配です。分娩時には0cmとなります。

 「右下腹部から背中にかけての痛み」というのは、程度やどのような痛みなのかがわからないため、原因は不明です。下腹部から背部にかけての痛みですと、尿路結石や便秘、あるいは子宮筋腫の循環障害があることなどでも起こりますが、担当医は何と言っていますか? 

 おなかがカチカチに硬くなるということは子宮が収縮しているということで、これらをあわせて考えると、基本的に切迫流産であり、妊娠22週を超えれば切迫早産ということになります。1週間後の所見と合わせてみて、痛みが反復したり、頸管長が短縮するようなら精密検査も含めて大きな病院へ紹介し転院、場合により入院が必要になります。

 1週間後の所見で、頸管長も長くなり、痛みもまったくないのなら、ご自身の結婚式(?)でしたら、ほとんど座っていることを条件に出席することも可能かもしれません。ただし、途中でよく休み、二次会などへの出席はダメで、新婚旅行も中止の覚悟で臨んでください。

 あまりご自身の状況を軽く考えないでください。予想される経過としては、子宮収縮抑制剤を服用しながら自宅安静あるいは入院安静、子宮収縮抑制剤の点滴投与なども必要になるかもしれませんし、これらの治療を行っても早産で未熟児を出産する可能性はあります。担当の先生の指示に従ってください。