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ママ・パパの気持ち

Q. 子育てする気力がありません。やる気を出すには? (2016.4)

  • (妊娠週数・月齢)2歳
  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳の娘と2歳の息子を子育て中ですが、毎日気力がなくて困っています。きっかけは、ひな祭りのお祝いの日の出来事。いつもより豪華な料理を作ったのに、二人ともほとんど食べてくれず、それがショックで家事も育児もおろそかになりました。ご飯を作ってもほとんど食べてくれず、掃除をしてもすぐに汚れるので、頑張っても達成感がありません。気力のなさはひどくなり、外にも行けなくなりました。就園前の二人を連れての外出は大変で、最近では家に閉じこもり気味です。このままではいけないと思うのですが、外出する気力がありません。どうしたらまたやる気が出るのか、アドバイスを頂ければ幸いです。

回答者: 帆足暁子先生

 どんなに頑張っても達成感が得られないと、気力がなくなります。
 ですから、あなたが、いつもより豪華なひな祭りのお料理を作ったのに、お子さんたちがほとんど食べてくれなかったということは、ショックだったと思います。
 そして、気力のなさがひどくなって、外出する気力もなくなり、一方、このままではいけないと思ってもやる気が出ない——自分でどうすることもできないだけに、つらいですね。

 こういう時には、ひとつひとつ考えて整理することが役に立つ場合があります。

 なぜ、お子さんたちはいつもより豪華なお料理をほとんど食べなかったのでしょうか。そこには必ず理由があります。
 お菓子をたくさん食べておなかがいっぱいだったから?楽しくて遊び疲れて食欲が落ちてしまったから?うれしくて興奮しすぎてしまったから?いたずらをして叱られて気持ちが落ちてしまったから?いつもよりも時間が遅くなって眠くなったから?……お子さんたちの年齢の時には、生理的な要因と情緒的な要因によって、食欲は影響を受けやすくなります。
 「ほとんど食べなかった」理由がわかると、すなわち、「豪華なお料理」に原因がないことがわかると、もしかしたら、あなたの気力も回復するかもしれません。

 あるいは、「ひな祭りの豪華なお料理」はこれまで、あなたが頑張ってきたことの「限界」だったのかもしれません。いつも子どもたちのために何かしてあげたくて頑張って、喜ぶ顔が見たくて頑張って、でも、あなたが期待するようには喜んでくれなくて、それでも頑張り続けると、「頑張る」糸がぷつんと切れてしまうことがあります。そうすると、「頑張る」ことすべてが嫌になって、できなくなってしまいます。
 本当は子どもたちのために「頑張って」きたはずなのに、あなたの「頑張り」に子どもたちが応えてくれないと、達成感が得られず、「頑張る」ことに意味を見出せなくなるからです。

 「達成感」を求めるのは、人間だから当然のこと。「自己充実感」「自己実現」といわれるような概念で、「自信」につながっています。 相手の反応から達成感を得ようとすると、相手の状態に影響を受けてしまいます。でも、自分自身が自分を認める達成感は、「誇り」となって、自信が揺らぐことはありません。

 さて、では、どうしたらよいでしょう。
 あなたは、「このままではいけない」ことはわかっていらっしゃるのです。でも、気力が自分の中から出てこない……。

 そういう時には外の力を借りましょう。

 たとえば、地域担当の保健師さん。地域にある子ども家庭支援センターのスタッフや一時保育をしている保育士さん。あなたはきちんと自分の状況を言葉で説明できる方です。ですから、あなたのつらさ、気力が起きてこないこと、そういうあなたの思いをその人たちに話してみてください。きっと、あなたの思いをわかってくれると思います。わかってくれる人が身近にいると、気持ちが楽になります。もし、外出する気力が起きなくても大丈夫。保健センターや保健所に電話をすれば、保健師さんが訪問してくれます。

 もしくは、あなたが好きなもの(こと)はなんでしょうか。もし、「お料理」が好きでしたら、あなたが作りたいもの作って、お子さんたちの反応ではなく、ご自分の感想とともに記録していってください。そして、「自分」の実績を一つ一つ増やしていきます。それを楽しむことができれば、「やる気のある自分」を取り戻せるかもしれません

 あるいは、無理をしないことも大切です。気力が戻ってくるのを待つ。「気力」がないということは、一見、だめなことと感じてしまいます。でも、これからのあなたにとって、あなたが飛躍するために必要なことかもしれません。ですから、この「気力」のない時期を、あせらずに、次へのエネルギーを蓄えている時期として受け入れる、ということもできるかもしれません。

 いずれにしても、あなたがひとりで抱えていることはありません。できるだけ地域の専門家に支えてもらってください。