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性格・親のかかわり・育て方

Q. 1歳3か月。母親以外との交流がないのが心配です。 (2016.7)

  • (妊娠週数・月齢)1歳3か月

1歳3か月の息子と一緒に海外在住です。敷地内に1000軒のビラが並ぶ地域に住んでいますが、9割が現地の富裕層で日本人はわが家のみです。日中、近所を散歩しても住人はほとんど見かけず、敷地内で働くさまざまな職種の人達が息子に声をかけてくれるのみです。同世代の子を見かけても言葉が通じないナニーと一緒で、手を振るか挨拶程度のみ。週に1〜2回、片道1時間近くかけて、日本人の子連れママの集まりに参加していましたが、息子は1人で黙々と遊んでいることが多く、私自身は住んでいる地域や境遇が違いすぎて話に加わりにくいという現状です。無理に遠出せず、子どもと私のみの時間ばかりにすると、息子によくないでしょうか? 同世代の子どもとの交流を続けさせるべきでしょうか?息子は、笑顔もおしゃべりもバイバイもたくさんしてくれます。

回答者: 高橋惠子先生

 第一に理解しておきたいことは、子どもは子どもが大好きで、他の子どもの存在が成長に欠かせないということです。子どもは他の子どもを「自分の仲間」であるととらえて、強い関心を示します。しかし、互いに交渉して“遊ぶ”ようになるのはまだ先のことです。子どもの集団を観察してみますと、子どもは初めは“平行遊び”をします。つまり、「一人で黙々と遊ぶ」のです。しかし、よく見ると他の子どもの真似をしたり、同じおもちゃを使ったりしていることがわかります。“平行遊び”は遊びの第一段階なのです。2歳くらいからおもちゃをとりあったり、いさかいをしたりしながら交渉をし、だんだん遊びらしくなっていきます。

 第二に理解しなくてはいけないことは、子どもの世界が母親とだけというのは、望ましくないということです。「おとな対子ども」というつき合いと、「子ども対子ども」のそれは性質が異なります。「おとな対子ども」のつき合いでは、子どもは特別に大事にされ、一人前としては扱われないでしょう。しかし「子ども対子ども」では容赦のないつき合いになります。そして、この中で子どもは仲間とどうつき合うかを体験するのです。母親や父親がどう頑張っても、子ども仲間の代理はできません。

 では、現状を打開するにはどうしたらよいか考えてみましょう。まず、「『子どもに友だちができない』と訴える多くのお母さんは、実は自分が孤立しがちだ」という調査結果を考えてみてください。子どもの世界を広げるには、母親自身の世界を広げることが大切です。ナニーに会われたらその家を思い切って訪問し、母親と友だちになってはいかがでしょう。母親自身に友だちができれば、それにつれて子どもの世界も広がるはずです。初めは言葉の壁があるでしょうが、せっかく外国に暮らしておいでなのですから、これを良い機会ととらえて、言葉にも文化にも積極的になりましょう。初めのきっかけは、夫に助けてもらってはいかがでしょう。夫に訪問を手伝ってもらいましょう。あるいは、職場の同僚を招いてパーティをするのはいかがでしょう。あなたもすでにお気づきのように「日本人の子連れママ」にこだわるのは、つまらないことだと私も考えます。