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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠6週。吐いてでも食べるべきでしょうか? (2016.7)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠2か月 (4〜7週)

妊娠6週ですが、つわりがつらいです。病院でケトン体が3+だったとのことで、毎日点滴に通うことになりました。ケトン体が3+とは、どういうことなのでしょうか? 食べ物はスイカくらいしか食べられず、しかも食べるのがつらいです。できれば何も食べたくありません。つらくても、たとえ吐いてしまうことになっても、食べた方がよいのでしょうか?食べないと赤ちゃんにどんな影響がありますか?

回答者: 市川香織先生

 妊娠初期、つわりがつらいですね。食事がまったくとれていないので不安なのですね。自分の体のことも気になりますが、赤ちゃんのこともご心配になりますよね。

 まず、ケトン体のことからご説明します。ケトン体は脂肪が分解されて、エネルギー源として利用される際に出てくる物質です。尿検査で検出されるもので、食事がふつうに食べられているときは、炭水化物などの糖質がエネルギー源として代謝されるため現れません。しかし、つわりによって食事が十分にとれなかったり、食べられたとしても、嘔吐してしまったりすると、エネルギー源としての炭水化物などの糖質が不十分となり、体内の脂肪がエネルギー源として分解されるため、尿中に出て陽性を示すのです。

 ケトン体が3+出ているということは、食事がとれない分、体に蓄えられた脂肪をエネルギーとして使っている状態ということになります。ケトン体が3+とたくさん出ている状態を放置してしまうと脱水のおそれがあるため、点滴治療が必要になります。

 現在、点滴治療が始まったということですので、点滴で水分やビタミン類が補充されますから、無理に口から食べる必要はありませんよ。病院からも説明があると思いますが、食べるのは無理だけど飲むのは大丈夫ということでしたら、スポーツドリンクなど体に吸収しやすい飲料を少しずつ飲んでみるとよいでしょう。ただ、一番つらい時期を抜ければ、少しずつ食べられるようになりますので、無理しなくて大丈夫ですよ。少し脱水になっているので、唇も乾いていることでしょう。リップクリームを塗って保護しておくとよいでしょう。メントール系のリップクリームはすっきりするので使用される方も多いです。

 また、つわりの時や妊娠中、スイカなら食べられるという妊婦さんも多いです。スイカはほとんどが水分で、カリウムが多いためむくみを取るといわれます。スイカを食べて下痢をしてしまうなどの症状が出るようなら控えたいですが、下痢もなく、少し口にできそうということであれば食べてみてもいいでしょう。ただ、今はそれもつらそうですので、無理に口から何か食べようとしなくていいですよ。

 何も食べられなくて、おなかの赤ちゃんの成長は大丈夫なのかと気になると思います。しかし、この時期の赤ちゃんは、お母さんが栄養をとれなくても、自分が成長する分は十分お母さんからとることができていますので安心してくださいね。

 つわりのピークは妊娠8〜11週ごろで、妊娠12週ごろになってくると落ち着いてきます。まだ先が長いと感じるかもしれませんが、これも個人差がありますし、終わりがないことではないので、今は体を休める時期と割り切って過ごしましょう。体が冷えるとつわりが悪化することもあります。靴下を履いたり、半身浴や足湯をするなどして体を温めるようにするとよいでしょう。