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性格・親のかかわり・育て方

Q. 9か月。泣かせながらの寝かしつけに、悪い影響があるのか不安です。 (2016.8)

  • (妊娠週数・月齢)9か月

9か月の男児の寝かしつけで悩んでいます。夜まとまって寝るようになった2〜3か月頃から、朝起きて2時間ほどすると、ぎゃんぎゃん泣くように。抱っこで落ち着きますが、寝ないまま布団に降ろすと泣いていました。あの頃は心に余裕がなく、「抱っこで寝かせるのはダメ」「添い乳はクセになる」ということを気にしてやらないようにし、ほかの寝かしつけを試しましたがダメだったので、ベッドに寝かせ、泣かせて寝かしつけていました。最近ネットで、泣かせて寝かすのは「6か月以降から」「サイレントベビーになる」などの意見を読み、とんでもないことをしていた?と悩んでいます。今もミルクで寝なければ、「おやすみ」と抱きしめて部屋を出て、泣いたらよしよしして、しばらく泣かせながら寝かしつけています。このやり方は間違っていますか? 赤ちゃんにどんな悪い影響があるでしょうか?

回答者: 帆足暁子先生

 ネットでの意見を読んで、これまでのあなたの寝かしつけ方が間違っていたのではないかと不安になって悩んでいらっしゃるのですね。

 まずは、赤ちゃんを泣かせたままの寝かしつけが良いか悪いかということの前に、赤ちゃんがなぜ泣くのかということを知ることから考えましょう。

 赤ちゃんが泣く理由は2つあります。一つは、生きることにつながるSOSのサインとして「おなかがすいた」「暑い」「痛い」「怖い」等を訴えることで、SOSの状況を安全な状況に変えてもらうということです。もう一つは、愛着行動としての機能で、泣き声を聞いた母親が赤ちゃんのところに呼び寄せられ、母親に抱っこをされたり話しかけられたり等関わってもらうことで、自分は守られている存在なんだという安心感を得て、人間関係の基盤である安定した「愛着関係」を形成するということです。

 すなわち、赤ちゃんが泣く理由は「関わり」を求めている、ということになります。

 でも、「あの頃は心に余裕がなく」そして、「寝かしつけを試しましたがダメだった」としたら、泣く赤ちゃんと同じくらい、あなたもつらかったのではないでしょうか。その中で、あなたなりに調べて、良いと思った育児方法を選択したのです。その方法は間違っていません。

 あなたは、赤ちゃんがかわいいですか? 抱っこしたいと思いますか? 赤ちゃんはあなたを見て嬉しそうに笑いますか? あなたに抱っこを求めてきますか? 子育てで一番大切なことは、母親も赤ちゃんもお互いが楽しくて幸せな気持ちで一緒にいられることです。
 赤ちゃんだけが幸せでも、母親だけが幸せでも、子育てはうまくいかないのです。

 さて、考えたいことは、過去ではなく、未来。

 あなたは、これから、赤ちゃんをどう寝かしつけたいですか? あなたの寝かしつけ方を赤ちゃんも気に入っていますか?

 今は、簡単に情報が得られるようになりましたが、その分、情報が多すぎて何を信用したらよいのか、その選択が難しい時代になっています。その選択は専門家に任せた方が安心できます。専門家もさまざまですが、ちゃんとあなたのつらい気持ちをわかってくれて、そして、あなたの赤ちゃんに会って話を聞いた上で、あなたにアドバイスをしてくれる専門家を選んでください。近くに保健センターや子ども家庭支援センターはありますか? できればそこで、あなたが信頼できるスタッフをみつけられると、これからの子育てには不安がなくなります。一緒にあなたの赤ちゃんの成長を見守ってもらいましょう。ひとりで頑張らなくて良いのです。今は一緒に支えてもらいながら子育てをする時代です。地域にあなたの子育ての味方をつくりましょう。