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気になる子どものようす

Q. 外遊びが嫌いな4歳。母親とばかり遊んでいて心配です。 (2016.9)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳の息子ですが、外遊びが嫌いで困っています。2歳頃から外出を嫌がるようになり、公園も散歩もイヤだといいます。公園は、行けば楽しそうに遊びますが、他の人がいると嫌がります。買物にもついてきたがりません。3歳から幼稚園に通っていますが、友だちの輪にもなかなか入れないようです。幼稚園に行かないときは、一日中、私とごっこ遊びです。パパがいても「ママと遊ぶ!」というので私も煮詰まってきました。世間の狭さと運動不足が心配です。三歳児健診では体幹の弱さを指摘されました。少しずつ行動範囲を広げてやりたいのですが、何か突破口はないかと悩んでいます。

回答者: 高橋惠子先生

 まず、「困った子」と決めつけずに、お子さんの様子をよく見てください。どのような点が素晴らしいか、何が上手かを書き出してみてはどうでしょう。問題行動だと決めたことに、親の目が向き過ぎていないでしょうか。

 「外遊びが好き」「友だちと元気に遊ぶ」「集団活動が得意」などと、大人は幼児に外向的であることを期待しますが、実はすべての子どもがそうであるとは限りません。「自分のペースを乱されるのはいや」「騒々しい場所は嫌い」「靴の中に砂が入るのはいや」というような幼児も大勢います。大人であれば、このような静かに過ごすことが好きな内向的な性質は“個性”だと認められるのに、幼児では同じ個性を“問題行動”だとされてしまうのはとても残念なことです。“個性”には、困る側面だけではなく、喜ばしい側面があることを見落としてはいけません。内向的な幼児が、辛抱強く物事に取り組んだり、新しいことに慎重だったり、人に優しかったりというような、素晴らしい性質を持つことを見逃してはなりません。

 内向的な子どもが外遊びや子ども仲間に馴れるには、スキルの学習とそのための十分な時間が必要です。いきなり公園で子どもと遊びなさい、幼稚園で集団行動をしなさいというのではなく、公園に行けたら第一歩、通園しているのだからたいしたものと考えましょう。このタイプの子どもでは、公園でも幼稚園でも、他の子どもが遊ぶのを見ていてやり方を学習し、こうすればいい、面白そうだなどと自分なりに納得する時間が必要なのです。納得がいけば、外遊びも楽しいことがあるな、友だちと遊ぶのもいいな、と行動を始めます。焦らずに待ってやるのが親の役割です。「遊びなさい」「みんな遊んでるでしょ」「なぜ遊ばないの」などは禁句です。

 幼稚園が休みの日には、親子で外に出てみてはどうでしょう。父親にも参加してもらいましょう。楽しい経験が突破口になるかもしれません。あるいは、親の友人同士が集まる機会を作って、その子どもたちと遊ぶ経験を積むことも有効です。もしも年下の子どもとうまく遊べれば自信につながります。母親が楽しそうに人と話したり、活動するのを見れば、子どもも「いいな」と思うでしょう。親の人間関係が広がると、子どもの世界も広がります。