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性格・親のかかわり・育て方

Q. 通園で寂しがる3歳の息子。愛情のかけ方に自信がなく心配です。 (2017.2)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

3歳になったばかりの息子です。1歳4か月から保育園に通っていますが、3歳になる少し前から保育園に行くのが寂しいと言い出しました。嫌なことがあるのか聞いても、「ないけどずっとママと一緒にいたい」と言います。
夫も私も勤務地が遠いため、朝7時から午後6時まで預けています。休みの日は遊びに行ったり、平日夜は抱きしめて大好きよ、と言っていますが、子どもの寂しさは埋められないのでしょうか。
私自身が幼少期に虐待され、愛情のかけ方に自信がありません。自分が嫌だったことはしないように、なるべく愛情を言葉に出すようにしていますが、どうしたらもっと愛していることを伝えられるでしょうか。園では元気にしているそうですが、本人はがまんしてると言っており、寂しい思いをさせていると思うと胸が痛くなります。

回答者: 帆足暁子先生

 お子さんの寂しい思いを何とかしてあげたいと思っていらっしゃるのですね。お子さんが安心できるように、もっと愛していることを伝えたいと思われているお気持ちが伝わってきます。お子さんの寂しい思いをどうしたらよいのか考えてみましょう。

 1歳4か月から保育園に通っているのに、3歳になる少し前から「保育園に行くのが寂しい」と言われると、不安になります。本当だったら、慣れてきて安心できる環境になってもよいはずです。ですから、確かに「何か嫌なことがあったのか」と気になります。でも、お子さんは「ないけどずっとママと一緒にいたい」のですね。

 まずは、お子さんの発達という面から考えてみます。
 お子さんは、それまで一体化していた「ママ」との関係から、独立した「自分」と「ママ」という関係へと心理面が発達したのかもしれません。そうすると独立しても「自分」と「ママ」との愛着関係が確立しているのかを確認する段階に入ります。ですから、「寂しい」という思いが出てきて確認しているのかもしれません。

 あるいは、お子さんの環境の変化という面からも考えられます。
 保育園のクラスに転園児が入ってきたり、担当の先生が替わったり、クラスの子ども関係が変わったりして、何となく安心感が少なくなったのかもしれません。この時期は好きな友だちができる頃でもありますから、子ども同士の取り合い等関係が複雑になって安心感が少なくなっているのかもしれません。
 もしくは、家庭環境の変化として、「寂しい」気持ちになることがあるのかもしれません。ときどき、母親よりも先に第一子が懐妊に気づいて寂しがることもありますし、父親と母親の関係がぎくしゃくし始めたことに気づいて寂しがることもあります。
これらの環境の変化は、子どもには明確にわかっているわけではないので、聞かれても答えられないことが多いのです。

 お子さんの「寂しい」気持ちには原因があります。でも、このように必ずしもマイナスの要因ばかりではない、と思います。

 それから、あなたは、とてもよい母親です。お二人ともが遠隔地勤務だからと、保育時間の長さを気にかけていらっしゃいますし、「休みの日は遊びに行ったり、平日夜は抱きしめて大好きよ、と言って」います。「自分が嫌だったことはしないように、なるべく愛情を言葉に出すように」もされています。とても大切なことです。お子さんに愛されている実感を育もうとされている姿勢がよくわかります。

 でも、あなたご自身は、「幼少期に虐待」されていらして「愛情の正しいかけ方に自信がありません」。つらい体験を抱えて子育てをされていますね。
 ですから、お子さんの寂しい思いに胸が痛くなるのだと思います。

 お子さんに愛していることを今以上に伝えていくために、あなたにできることがあります。

 お子さんが「本当はがまんしていて寂しい」「ずっとママと一緒にいたい」という時に、「本当はママもあなたと一緒にいたい。でも、あなたと美味しいものを食べたり、楽しいところにお出かけするために、お仕事がんばるからね。いっぱいいっぱい楽しいこと一緒にしようね」と明るく話してみてください。母親の気持ちが揺れ動いて不安になると、子どもは不安になります。その反対に、母親が安心して楽しい気持ちになると、それが伝わって、子どもも安心して楽しくなるのです。

 子どもは、母親が笑っているときが一番安心できるし、幸せを感じます。

 ただし、お子さんの「寂しさ」の訴えが増えていったり、食欲や睡眠や排泄等に影響が出たりしたときには、お子さんの「寂しさ」の原因を整理して解決する必要があります。その場合には相談に行かれてください。

 もちろん、あなたが誰かに相談したいと思うときには、お子さんの状態とは関係なく、あなたが信頼できる人に相談されることも大切です。保育園の先生や、子ども家庭支援センターのスタッフや育児相談をしているクリニック等、あなたが一緒に考えてもらいたいと思う人を見つけてください。今、子育ては支援されるものになっているのですから。