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気になる子どものようす

Q. 3歳11か月の娘。叱っていないのに謝ってばかりいて、対応に困っています。 (2017.8)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

3歳11か月の男女の双子がいます。女の子の方は、とても敏感にまわりの空気を読みます。私が少しイライラし始めると『ごめんなさい!ごめんなさい!』と半泣きで謝ります。私は、その姿によけいにイライラしてしまいます。この子に対して怒ってない時も、謝ってきます。虐待されている子どものようにも見えます。なぜ謝るのか尋ねると、私が怒っているからだとの返事。なぜ、こんなに許しを乞うのでしょうか?どのように対応するのがよいですか?

回答者: 高橋惠子先生

 双子を育てる母親には多くの忍耐とエネルギーが必要です。それを4年近くも頑張ってこられたのですからあっぱれです。細かいことに気配りするにも二人分だと大変でしょう。一人が泣けばもう一人も、一人が欲しがればもう一人も、という状態の連続だったことでしょう。そんな努力を積み重ねてきて、今、子どもが「不必要に謝る」ことに、「許しを乞う」ことに、おかしいと気づいたのはとてもよかったと思います。敏感で聡明な女の子が教えてくれたのですね。

 母親が「怒っている」から謝るのだ、という娘さんの言葉を真剣に受け止めてください。母親は怒っているつもりではないのに、子どもが怒っていると受け取るからといって、単純に子どもの誤りだとはいえません。発達心理学では親子の関係を観察して、親子関係は“相互交渉”であることに注目しています。

 親子は常にキャッチボールをしているようなものなのです。親の行動に対して子どもが反応し、その子どもの行動にまた親が応じる、つまり、親1→子1→親2→子2…というようにやり取りが続いていくわけです。親1と親2は異なりますし、子1と子2も異なります。それぞれ相手の行動によって変わるからです。つまり、反応の原因は親子の双方にあります。このような親子関係の仕組みをまず知っておいてください。

 では、どうすればよいのでしょう。
 もうすぐお子さんは4歳ですから、もう立派な幼児です。幼児は言葉によるコミュニケーションができますし、表情や言葉から相手の感情を読み取る高い能力も発達させています。したがって、母親としても子どもとの対応を“幼児型”に組み替えてはいかがでしょう。決して、むずかしいことではありません。親子のやりとりのなかで、出来るだけ丁寧な言葉(単語で済ませるのではなく、主語や述語がある文章になっている言葉)を使い、穏やかな表情を心がけましょう。表情はとても重要です。ときどき鏡を見て笑顔を確認しましょう。笑顔のお母さんを子どもは大好きですし、自分が愛されているのだと知って安心します。乳児でも「無表情な母親の顔」をみて不機嫌になり泣き出すという実験もされています。

 さらに、双子でも二卵性の場合には、「同時に誕生したきょうだい」ですから、似ているのはきょうだいくらいです。したがって、同じ母親の反応でも受け取り方が子どもによって異なることが考えられます。そして、男女の差異もあります。成長につれてそれぞれの個性がはっきりしてきていることでしょう。親は、それぞれの子どもに合わせた交渉を心がけることも大切になってくると思います。敏感で賢い女児は、より細やかな接し方を望んでいるはずです。試みてください。