家族関係・夫婦・ママ友
Q. 1歳10か月。同居の子育てで自分が精神的に不安定に。子どもの癇癪は私のせいでしょうか? (2017.9)
- (妊娠週数・月齢)1歳7か月
1歳10か月の男の子の母親です。息子が6か月の頃から義両親と完全同居です。育児と同居のストレスで、常にイライラしたり精神的に不安定になったりしています。義両親の前では素の自分で息子に接することができませんし、同居が原因の夫婦喧嘩も息子の前で頻繁にしています。
息子は癇癪がひどく攻撃性もあり、手のかかる子です。私の心の不安定さが息子の性格を曲げているのでしょうか? 別居も考えますが、息子は義両親からかわいがられており、息子もとても懐いていて、両者を引き離すのはかわいそうで躊躇します。夫からも、祖父母がいる方が子どもにとってはよい環境だと言われており、どのようにするのがよいのか悩んでいます。
回答者: 高橋惠子先生
文面からは義父母とどのような形の同居をされているのかわかりませんが、専業主婦の母親でありながら義父母と同居していること、夫が同居を好ましいとしていること、同居によって自分や子育てがゆがめられていると感じていること、などによるストレスが感じ取れます。また、別居という選択肢もある状況であることもわかりますが、それは子どもにとってかわいそうなことかもしれないとも考えておいでのようです。大変なストレスを抱えながら、子育てをしていることがわかります。母親が強いストレスを感じ、夫婦喧嘩も頻繁におこっているという状態は、子どもにとってもよくありません。
このストレスから抜け出すためにまず重要なことは、子どものためなどと自分の気持ちをごまかさないで、自分がどうしたいかをしっかり考えることではないかと思います。寿命が90年になった時代のあなたの長い人生を考えてみてください。母親であること、妻であることだけではとても一生は過ごせないでしょう。趣味でも仕事でも、あなた自身の固有のテーマを持って生きることが必要だと私は考えます。もしも、そのようなテーマがあれば、あるいは、テーマを探すためには、義父母と同居していることは、あなたにとって大きなメリットになるでしょう。義父母に子どもを預けて、それに専念する時間をつくることができるからです。それは義父母もしばし“嫁”から解放され、“孫育て”をまかされたという責任と楽しみを持つことになるでしょう。待機児童がまだまだ多い日本の子育て事情からいえば、祖父母との同居はありがたいことだともいえます。この状況を活用してはいかがでしょう。自分のテーマを持つと細かいことは見過ごせるようにもなります。そして、あなたがテーマを持つことを夫にもよく理解してもらう必要があります。堅い決心であることを伝えましょう。
親が祖父母の育児に対して持つ不満の一番は「孫を甘やかす」ということです。かわいがるので子どもが祖父母によくなつくということにもなります。その他にも親のやり方とは異なる孫育てが気になることもあるでしょう。私は「子どもがいろいろな人と異なる接し方をするのはよいことだ」と考えるとよいと思います。すべての人の考え方を統一するのは無理なことです。そして、よほど気になる点についてだけそれを伝えるのが、親の責任だと思います。
2歳近くなった子どもが癇癪を起こすのは、母親のせいではなく、子どもの発達が原因です。この年齢になると子どもは自分の意志を持つようになります。まだ自分では無理なことも自分でしたいと思い、それがうまくいかないと癇癪を起こすのです。そのような目で子どもを観察してみましょう。なるほどと納得する場面が多いのではないでしょうか。いろいろなことが自分でもできるようになったり、言葉で表現できるようになるまで、癇癪を起こすのは一時期の成長のあかしだと思ってください。癇癪の程度は子どもの持って生まれた気質によって異なりますが、叱るのではなく、やりたいことにそっと少しだけ手を貸すなどして、子どもの意志の成長を応援しましょう。