泣き・夜泣き・眠り
Q. 生後2か月半。冷房のせいか、体温が低くなりました。今のままで大丈夫でしょうか? (2017.9)
- (妊娠週数・月齢)2か月
生後2か月半の息子ですが、出産後から空調を25℃設定の部屋で寝かせ続けた結果、37度前半あった体温がだんだん下がって、現在35度後半になってしまいました。上着を着せ、空調27℃に変更し様子を見ています。くしゃみはするものの、ミルクも飲み体重も増えていますが、37度までには、なかなか戻りません。そのまま経過観察で大丈夫でしょうか?
回答者: 横田俊一郎先生
体温は数字で表わされるがゆえに、さまざまな心配を生み出すことがあります。まず体温の測定についてですが、腋下などで水銀体温計を用いて10分間測定し、一定の値になったものを体温と規定しています。電子体温計はマイクロコンピューターを使って、最初の1分間くらいの上昇の様子から10分後を予測して体温を表示するので、実際の体温と多少ずれが生じることが少なくありません。このようなときは電子体温計で10分間測定してみると正確な体温が表示されます。
また、心臓の中の温度など身体の深い部分の体温(深部体温)は健康な状態では誰でもほぼ一定だとされています。しかし深部体温を測ることはできないので、腋窩などに伝わってきた温度を測定することになり、この値(皮膚体温)は深部体温より低くなります。皮下脂肪の量、汗、皮膚表面の毛細血管の血行などの影響を受けますので、皮膚体温は人により少しずつ異なっています。
さらに、皮膚体温は一日中一定ではなく、1歳を過ぎると自律神経やホルモンの影響を受けて夜から朝にかけて低く、午後は高めになります。また、運動した後や授乳後(食後)にも体温はやや高くなります。
さて、ご相談の赤ちゃんの体温ですが、赤ちゃんの体温は確かに室温の影響を受けやすいものです。暑い部屋にいると体温が上昇し37度台後半程度になることもよくありますが、室温を下げると体温も下がってきます。室温が低いと体温も低めになりますが、これは病気ではありません。大人にとって快適な室温であればそれ以上赤ちゃんを温める必要はありません。37度より低くてもそれが低すぎるということはないのです。赤ちゃんが元気でよく飲めているのであれば、心配することはありません。つい体温計の表示ばかりを見てしまいますが、赤ちゃんの様子が一番大切であることを忘れないでください。
逆に、病気の後などに体温がやや高めになって、それが心配で受診されるかたも少なくありません。体温以外に問題がなければ体温測定を止めてもらうと、しばらくしてもとの体温に戻っていることが多いものです。健康な状態でも、体温は人それぞれ違っていることを覚えておいてください。