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性格・親のかかわり・育て方

Q. 1歳4か月の息子が寝ている間に出勤しています。よくないですか? (2017.11)

  • (妊娠週数・月齢)1歳4か月

1歳4か月の息子を持つ母です。息子が生後2か月のころから、実の両親に預けて復職しています。朝、子どもを両親に預ける際に泣かれると、子どもがかわいそうなのと罪悪感とで悲しくなります。そのため、いつも子どもが寝ている間にこっそり仕事に出かけたり、子どもが両親と遊んでいるすきにこっそり出かけたりしています。両親は、しっかり見送らせたほうが、日中安心して過ごせるのでよいのではないかと言います。私は、息子と両親の関係が良好で機嫌よく遊んでいるので、わざわざ悲しい思いをさせなくてもよいのではないかと思っています。子どもにとっては、どちらがよいのでしょう。

回答者: 高橋惠子先生

 働く母親の多くが「子どもにかわいそうなことをしている」という罪悪感を持っているという報告があります。ですから、出勤する際に子どもに泣かれると母親はとてもつらいのはよくわかります。特に、1歳前には、記憶能力が未発達なために、“目の前から消えたモノはなくなってしまう”と勘違いしていますので、母親が出かける姿を見ると動揺し、大泣きをしたりするのです。この大泣きを避けたいと子どもが気づかぬうちに母親が出勤するのは一案だと思います。そうしても悪いとは思いません。

 しかし、1歳を過ぎますと、“目の前から消えたモノも存在し続ける”ことが理解されるようになります。それまでは目の前で布の下におもちゃを隠しても探す気がなかった子どもが、得意げに布をめくっておもちゃを見つけるようになるのです。見えなくなってもモノが存在しているのだとわかることを、心理学では<モノの保存>についての能力が発達したといいます。<モノの保存>がわかるようになると、このころからは、「行ってきます」という場面でたとえ泣いても、母親が戻ってくることを確信できます。したがって、「お仕事に行ってくるからね」「早く帰るからね」「お利口にしていてね」というような言葉が有効になります。「ママは夕方には帰るからね」「遊んで、待っていようね」という祖父母の説得も意味を持つようになります。

 ご質問のお子さんは1歳4か月ですから、もう隠れて出勤せずに、堂々と「お仕事にいってきます」「バイバイ」と出かけましょう。初めのうちは泣くかもしれません。しかし、母親が元気に笑顔で出かければ、大好きなお母さんがはりきっていると、子どもも元気になります。明るいはつらつとした様子を見せることは大切です。「お仕事」にはついて行けないことが理解されるようになります。母親が留守の間は、関係が良好な祖父母が見てくれるように手当てしているのですから、自信を持って出勤しましょう。帰宅した母親を子どもが機嫌よく迎えるようであれば、母親への子どもの愛着もしっかりできているといってよいと思います。

 母親からすれば実の両親が子どもを見てくれるのは心強いことでしょう。しかし、ますます活発になる子どもの世話に祖父母が手をやいたり、知恵がついてきた子どもが祖父母との留守番に退屈する兆しがあれば、友だちがいて専門家である保育士のいる保育所や、認定こども園などを利用することを考えてはいかがでしょう。