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産後のからだ

Q. 娘は10か月。2人目を妊娠したいので、早く断乳したいと思っています。 (2018.1)

  • (妊娠週数・月齢)10か月

10か月の娘です。完母で育てていましたが、今は日中は離乳食のみで、寝る前と夜中起きたときにだけ授乳しています。2人目妊娠希望なのですが、いまだに生理は来ていません。生理が始まるのは個人差はあるものの授乳と多少は関係していると聞いたことがあり、断乳すべきかなと考えています。ところが、夜中かならず泣いて起きるため断乳ができません。夜中に起きてしまうことは仕方ないと思っていますが、早く生理が来て欲しいとの焦りから、授乳中もイライラしてしまいます。授乳以外で寝てくれたら…と思いますが、こうした考えはよくないでしょうか。どうすれば断乳できるのでしょうか?やはり断乳しないと生理は来ませんか?

回答者: 市川香織先生

 2人目の妊娠を希望されているので早く断乳したいのに、なかなか夜間の授乳がやめられず、焦っているのですね。赤ちゃんは離乳食もしっかり食べてくれていて、授乳は寝る前と夜間起きたときだけと考えると、今断乳しても発育的には問題ない状況でしょう。また、お母様の状況としては、夜間だけの授乳のようですが、月経が来ていないことから、たしかに断乳すれば、月経が再開し妊娠が可能になるでしょう。すなわち、赤ちゃんもお母様も、断乳をしても、生理的には問題なさそうです。

 しかし、10か月という月齢の赤ちゃんの心の状態はどうでしょうか。今まで自分では動けなかった状態から、はいはいをして自分の興味のあるものに自分で少しずつ近づくことができるようになってきている赤ちゃん。そんなとき、赤ちゃんは自分で動きながらも、いつもお母様の反応を見ていることでしょう。お母様がいなくなると泣いたり、誰か他の人に声をかけられると人見知りをしたりして、他の人と特別な存在であるお母様を区別し、自分が冒険をしても安心して帰る場所はお母様と認識しているのです。このような状態の赤ちゃんは、新しい体験をたくさんできるようになる分、不安や怖い思いなども経験し、それらをお母様のおっぱいを飲むことで安心に変えていっているといわれます。特に夜間、目が覚めると心細くなったりするので、おっぱいを飲まないと眠れないということも続くでしょう。できればこの揺れ動く時期は、もう少しおっぱいで乗り越えていけると、赤ちゃんにとっては安心でしょう。

 お母様にとっては、次の妊娠への希望があるので、そうは言っても焦ったり、イライラしたりしてしまうのもわかります。最近は、断乳前に月経が再開する場合が多いので、もう少し自然に待っていても月経が来る場合もあるでしょう。しかし、月経再開には個人差があるので、必ず月経を再開させたいということであれば、断乳するしかないでしょう。そして、やはり断乳をすると決めたら、まずは赤ちゃんにお話しして納得してもらいましょう。まだ十分に理解できる月齢とは言えませんが、それでも断乳するには準備期間をおいて、いつからおっぱいにバイバイするのか話し、赤ちゃんの心の準備をしていきます。寝る前は添い寝をしながら絵本を読んであげるなど、お母様と離れず、安心して眠れる儀式を準備していくのもひとつの方法です。夜中に起きてしまい、のどが渇いてるようなら、ミルクや白湯、麦茶などを飲ませましょう。お父様の協力も得ながら、断乳の期間を乗り切りましょう。赤ちゃんにとっては心の安心が欲しい時期なので、あれやこれや試して、寝てもらえるよう工夫するしかありません。焦ったり、イライラしたりすると、その気持ちは赤ちゃんに伝わるので、余計に泣かれてしまうかもしれません。

 お母様ひとりで抱え込みすぎず、健診のときに保健師に話をしたり、断乳のケアを助産師に相談したりするなど、少し長い目で断乳を考えていけるとよいかもしれませんね。

 断乳が難しい時期なので特効薬はありませんが、ご家庭で何を一番優先させるのかを決めて、夫婦2人で一緒に乗り越えていってくださいね。