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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠8か月。右胸の乳腺線維腺腫を手術で除去しましたが、母乳がにじまず心配です。 (2018.5)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠8か月 (28〜31週)

現在2人目妊娠中、8か月の妊婦です。高校生のころから右胸にしこりがありました。上の子のときは、うまく乳首が吸えなくて完全ミルクで育てました。それから1年半後、急にしこりが大きくなり、病院でしこりを除去する手術をしました。胸の輪郭に沿って切った痕があります。出てきたのは8cmのしこりで、調べてもらった結果、乳腺線維腺腫で良性と言われました。その後も定期的に病院へ診てもらって異常なしと言われたので通院は終わりました。そして現在2人目を妊娠して、そろそろ母乳マッサージを・・・と思ったのですが、左胸は母乳が少し沁み出るのに手術した右胸はにじみもしません。やはり手術した方の胸は母乳が出ないのでしょうか?

回答者: 市川香織先生

 乳腺線維腺腫の手術後で、手術した右側の乳房から母乳が出るかどうかご心配なのですね。妊娠8か月というとそろそろ自然に乳汁が分泌し始める妊婦さんもいらっしゃるので、左胸に比べ手術した右胸は乳汁が出始める様子がなく、ご心配になられたのですね。

 乳腺線維腺腫は20~30代の女性によくみられる良性のしこりで、小さければそのまま様子を見るケースも多いものです。しかし、出産する世代の女性にとって、乳房のしこりは乳がんの可能性もありますし、急に大きくなったということで、不安もあったことでしょう。早めに診察を受けて対応され、良性のしこりでほっとされたことと思います。その後の経過も異常なく良かったですね。

 乳腺線維腺腫の手術は、乳腺や乳汁が運ばれる乳管、神経、血管などを大きく傷つける手術ではないので、基本的に乳汁が出ることを妨げはしないでしょう。また、現在は妊娠中ですので、乳汁がにじんでくる状態も個人差があり、あまり気にする必要はありません。今出ていないからといって、産後も母乳が出ないわけではありませんので、安心してくださいね。

 ただ、前回お一人目のときに、乳首が吸えず完全ミルクだったという経緯もありますので、経産婦さんとはいえ、乳管が開くまでには少し時間がかかるかもしれませんね。今は、乳首を吸いやすくするために、お風呂に入ったときなどに、乳首をつまみ出して、乳管の先の詰まりを取るなどしておくとよいでしょう。

 また、妊婦健診の際などに外来で助産師に相談し、乳房や乳首の状態を一度見てもらっておくと安心です。そして、今回の授乳はどのようにしたいのかなどを話して聞いてもらいましょう。出産後は、すぐに母乳を吸わせたいなど希望があれば、今から伝えておき、実現可能な範囲で対応してもらうと、出産後のスムースな授乳につながると思います。助産師外来などがある場合は、ぜひ利用してみてくださいね。