家族関係・夫婦・ママ友
Q. 1歳5か月の娘を夫が叩きます。 (2018.7)
- (妊娠週数・月齢)1歳5か月
- (妊娠週数・月齢)妊娠7か月 (24〜27週)
私は現在妊娠7か月で、1歳5か月の娘もいます。私の夫は、とてもキレやすいタイプでイライラすると娘にあたり、かなりの力で叩きます。自分のイライラを娘にむけるなんて考えられません。もうすぐ二人目が産まれるというのに、全然改善されません。どうしていいのか分からなくて困ってます。
回答者: 帆足暁子先生
あなたは妊娠7か月。ご自分の体とお子さん、そして夫の世話と、ぎりぎりまで頑張っていますね。どうしたらよいのか、一緒に考えてみましょう。
あなたの書かれた通り、自分のイライラを娘にむけるなんて信じられません。しかも、まだ1歳5か月、やっと歩けるようになったくらいの弱者です。
では、あなたの夫はどうして、娘さんにイライラを向けてしまうのでしょう。
「イライラしてキレやすい」ということは、自分の感情をコントロールできないということです。普段の生活の中でゆとりがあるとき、落ち着いているときには穏やかで優しい面が出て良い人なのだと思います。でも、いったん、思い通りに物事が進まなかったりして自信が崩れると、イライラしてゆとりがなくなり、瞬時に蓄積されたさまざまな思いが怒りとして爆発し、その感情に飲み込まれてしまうのです。子ども時代に愛され、認められてこなかった人にみられる特徴の一つです。
愛されて育ってきた人は、ありのままの自分を認めてもらってきたので、愛されている実感をもつことができます。そして、自分を愛してくれた大人がいつも自分を見守ってくれて育つことで、自分は価値のある人間だという自信をもつことができます。それは心のゆとりとなり、物事が思い通りにいかなくても、自分に能力がないとは思わないので自信は崩れません。穏やかなままでいることができます。
あなたの夫は、これまで子どもとして育ってきた家庭や友だち、出会った大人達に愛され、認められて来なかったのではないでしょうか。
さて、一番大切なこと。
あなたはこれからも夫と二人のお子さんと一緒に生活していきたいですか。
もし、夫と一緒にこれからも生活していきたいとしたら、ひとつ、覚悟がいります。夫の過去を変えることはできないからです。蓄積されている怒りを切り離していくことは難しいです。でも、大切なことは未来です。これから、あなたが夫といるためにできることを考えましょう。
あなたは、夫がイライラしてきれやすくなったときにわかりますか? もしわかれば、事前に、つまりマックスまでイライラが育つ前に「何かいやなことがあるんじゃない?」と夫の気持ちに気づいていることを伝えることで、もしかしたら、夫の気持ちの爆発を止められるかもしれません。なぜなら、自分でも気づいていない自分の気持ちをわかってくれる人がいるということは、自分を肯定する力になりますし、あなたの存在によって安心できるからです。ですから、永い時間をかけて、傷ついている夫の気持ちを癒すために、あなたが一緒にいたいと思っていること、気持ちをわかろうとしていることを伝え続ける必要があります。
もし、夫と一緒に生活していきたくないと思っているとしたら、それは簡単です。もともと夫婦は他人です。離婚の方向に進めばよいのです。今、日本は3組に1組が離婚をする状況が続いています。離婚するための方法は役所で相談すれば教えてくれます。
もし、あなたが子どものことを考えて迷っているだとしたら、子どもは安全感や安心感の中で育つことが、生きるために絶対的に必要だということをまず考えてください。
あなたと夫は、子ども達に安全感や安心感を与えることができるでしょうか。
あなた方二人が、一緒に子ども達を育てていきたいという気持ちがあれば、子ども家庭支援センターや保健センター、小児科のクリニック等でぜひ相談されてください。簡単に1回の相談で解決することは難しいのですが、夫が過去と向き合いつつ、現在を幸せに生きるためにアドバイスをしてくれる専門家が必要ですし、あなたの子育てを伴走してくれる専門家もいれば、こんなに力強いことはないからです。
一番大切なことは、あなたご自身がどうすることが幸せか、どうしたいか、ということを見極めることです。それが決まれば、あとは専門家を頼って実現していきましょう。どうしたいかは、あなたが決めてよいのです。